国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   役に立たないもの   いうや

噴水のように役に立たないものを、町の中に置く。このような役に立たないものを出現させることが静かに流行し始めている。役に立たないものを。町の中に置くことによって、人の心を困惑させるという文化がある。役に立たないものでも、そこにあることに意味があるのだ。
 ぼくも同じように、役にはたたないが、意味のあるものについて考えてみた。ぼくの机には、プラモデルが飾ってある。て、言うよりおいてあるだけだが・・・。このプラモデルも何の役にもたたないが、ぼくの八歳の誕生日に父に買ってもらったものだから、思い出がつまっているし、絶対に捨てられない。プラモデルを見ているだけでなんとなく八歳のお誕生日を思い出す。
 学校にも人間にとって役に立たないものがある。それは「まごた川」と、いって、「川」というか「どぶ」というか「用水路」というか、まあとにかく変な川がある。この「まごた川」は、こけがはえていたりして少し見ると汚く見えるが、水質はよい。鳥が水を飲みに来たり、トンボが卵を産みによくくる。しかし、野球ボールや、サッカーボールや、ドッジボールが「まごた川」に落ちると、川に入ってとろうとすると靴にこけがつき、ボールにもこけがつく。野球部の人は、「まごた川」にボールが入るとこういう。
「まごた川なんか埋めてライトをもっと広くすればいいと思わない。」
「ほんと。まごた川があるだけでライトはせまいし、落ちたら野球ボールが汚くなる。」
「まごた川」は、鳥や虫にとっては天国かもしれないが、野球部にとってはボールが「まごた川」に落ちたりするので最悪だ(笑)。しかし教頭先生は「バードウォッチング」が好きだから、「まごた川」を気に入って、少しだけひいきしている。
 「まごた川」とは人間にとって、一見役に立たないように思うが、よく考えれば、虫や鳥、そしてある人には役に立っている。

   講評   huzi

もし、噴水が水が出るのにあわせて流行の音楽をかなでたり、噴水の中心にあるのが、テレビで人気のタレントだったらどうでしょう。 きっと、最初はめずらしがって人が集まるでしょう。しかし、時間が経つとそれらは飽きられ、やがてみすぼらしくなってしまうのです。 何も飾りのない、一見何の役にも立たないデザインの噴水だからこそ、長い間、いろいろな人の休息や集いの場所になるのでしょう。意味のないものは、意味がないからこそ、多くの人に受け入れられ、それぞれの人の心を受け止めることができるのだと思います。

☆將君にとって、まずそれは「プラモデル」なのですね。お父さんに誕生日の記念に買ってもらったけれど、今では動かすこともなく部屋の片隅に飾ってあるんだね。「何かの役に立つか」「おもしろいか」とたずねられると、答えは出ないけれど將君にとってはそこにあるだけで、以前の自分のことを思い起こすことができるいわば「記念碑」なんだね。

☆もう一つの<●体験実例>として書いたのが、「まごた川」。学校のグラウンドのすみにある、「まごた川」は、どうやらあまりきれいなせせらぎではないようですね(笑)。 ボールが落ちたら、拾うのに少し勇気がいるような川。しかし、その「役に立たない」川も、生き物にとっては絶好のオアシスなんだね。教頭先生にとっても。 役に立つかそうでないかは、一方的な見方では決められないことが、この話でわかってきます。將君たちは今は「埋めちゃえばいいのに」と、思っているかもしれませんが、
何年か経つと「なつかしいまごた川」になっているかもね。

★<●一般化の主題>、意見が小さくなったのが残念(^_^;)。
「まごた川とは…」と、体験実例の中の一つをとりあげるのではなく、「一見、役に立たないものとは」と、主語を置きかえよう。そして、「役に立つかたたないかは、人によっても違うし、自然という大きな視野で見ると、また違ってくるのだ」と、今まで書いた体験を大きくまとめてみてね。

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