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　　　くたびれた思い出　　　いよち

くたびれた思い出
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長谷川　真樹
「えー、六畳の部屋に四人も泊るの！？ 」
僕がお父さんにこう聞いたのは、長野に旅行に来て泊る民宿を探していたときの事だった。たまたま一軒だけ部屋が空いていたので、行ってみると、その部屋は六畳で、そのうえ机がでかくてゆったりする所が、あまりなかったのだ。
「まあ家族ですから。それでいいでしょう。」
とお父さんは返事をした。今は部屋を探す事で、精一杯なのに、部屋の大きさなんかで、文句をいってる暇は、ないんだということが分かった。
布団を引いてみると、脚の踏み場もないほど部屋が埋まった。それに布団も重く、枕も固かった。寝ようと思ったが、今夜の夕飯は時間がなくて、おにぎりをひとつずつ食べただけ
だった。わざわざ滋賀県から、高速道路も使わずに、ここまできたのに、こんな事になってしまったなんて、夢にも思っていなかったので、とてもショックだったし、くたびれた。
まーたまにはくたびれるような旅行も珍記録として思い出になるからいいだろう。だけど、毎回こんな旅行はいやだなー

　　　講評　　　yue

真樹くん、こんにちは。今回の作文は、「夏休みの思い出」なのかな？とってもくたびれた旅行だったのですね。でもきっと、何年かすれば、真樹くんの書いている通り、この旅行も珍記録になって、「いい思い出」として家族の間で話題になるはず。だって、なかなかできない経験だったでしょう？

☆最初の部分にぜひ、「何月何日」とか、「何日間」といった、長野への旅行のくわしい説明を入れてほしいと思います。今年の夏の、一番楽しみなできごとだった、という感じで、真樹くんの期待や家族が楽しみにしていたようすなどを書き加えると、そのあとの民宿のようすと正反対で、どちらもきわだたせることができます。ぜひ、「旅行へ行く前の家族」について、少し長めの説明を入れてみてくださいね。
☆この旅行の経験で、真樹くんは「くたびれた」と感じただけでしたか？「旅行に出る前に、民宿を調べて予約の電話をすればよかった、と思ったり、「テントを持ってきて、キャンプをすればよかった」と思ったりしたのでは？準備をしっかりする必要があることを学んだ、など、この経験でしか学べないことがあったと思います。ぜひ、それを思い出して書いてみてください。それに、そんなせまい部屋で家族がみんな一緒に寝るなんて、ふだんの生活では考えられないことだから、家族でいろいろと話ができたのでは？もしそういうことがあったなら、それについても書いてみるといいですね。
☆「こんな旅行はいやだ」という気持ちを書いて、文章をしめくくっていますね。これからもう少し考えを進めて、「今度は、こういう旅行ができるように、こんなふうに準備をしたい」という、前向きな文章でしめくくると、なおよいと思います。少しだけ、最後の部分を変えてみてくださいね。