創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ニコニコあいさついい気持ち   キティ

ニコニコあいさついい気持ち
 口下手な人がいる。まったく口をきかない。
 朝、私の方からオッハヨー!とあいさつしても目でひょっこり私の顔を見るだけだ。そんな日が何日か続いた。ある朝、いつものように学校の通学路を歩いているとゆき子ちゃんがいつもの道からひょっこり出てきた。一瞬私はびっくりして言葉が出なかった。
「・・・よ。」
と、ゆき子ちゃんの方からはじめてあいさつをしてくれた。おはようの「よ」なのか、おっす!と言っているのか分からないが、私はとってもうれしかった。寒い朝、私の心にポッとロウソクの火がともったようだった。
 あいさつを行なうことによって心があたたまる。あいさつは、マリアはここにいるゾ〜と相手に気づいてもらうため、そして私自身が気持ち良く過ごせるためにある。
夏休みの旅行中、一度だけお母さんにおこられたことがあった。理由はあいさつだった。
 何度も、『しっかり元気にあいさつしようね。』と言われた。(そうだ、きっと今度こそはハキハキとあいさつをしなきゃ。)と心にちかっていた。しかし目の前に相手がくると急にドキドキして、あいさつがモゴモゴと口の中で消えてしまうのだった。あいさつがバッチリ決まらないと、その後なんとなく元気が入らない。お母さんのお友達の子供に良樹くんという小学校三年生の男の子がいた。良樹くんは小さくて色の黒い、目のくりくりとした男の子だ。こんにちは!とバッチリあいさつをして大人たちのハートをつかんでいた。ずっとお母さんたちのアイドルだった。
「えらいねー!良樹君ってハキハキとあいさつができて!マリアも少しは見習いなさいよ〜!」
 ほらきた。はいはい分かってるって。もしこの私が、
「こんにちはー!ヤッホー!会えてうれしいわー!」
なんていきなり言ったら、みんながビックリするでしょ。それに私自身もとっても恥ずかしい。しかし、なんとかして自分らしいあいさつのしかたを考えなければ・・・。
 あいさつひとつで印象がとても良くなるということが分かった。良樹くんのあいさつがきっかけで、私も少しはハキハキと言えるようになったと思う。あいさつは相手の顔をまっすぐ向いて、さわやかに笑いながらできればいい。自分と相手のおたがいの心がうまく通い合えればいいのだ。『こんにちは!』の一言によって、相手に好かれるかそうでないかの差が出てくる。あいさつはとても大事なのだ。
 こんにちは!と同様、別れのあいさつもとても大切だ。私は、旅行の場合など相手に二度と会えなくなるかもしれないと不安になることが多い。人間はなぜ別れる時や出会うときにあいさつをするのだろう?それは習慣と言ってもいいのだろうか。初対面でも、何度も会う学校のお友達でも、会うときには『会えてうれしい!』という気持ちを相手に知らせたいと思う。そして別れる時は、『元気でね。また絶対会おうね』という気持ちになる。こう考えると習慣を超えた感情が私たちをそうさせるのではないか。犬だって他の動物だって、感情があれば同じ反応になると思う。
 ガイジンのあいさつでおもしろい話がある。
 お母さんの会社に陽気なイタリア人・チリーノさんがいる。背はそんなに高くないが、おしゃれで、わし鼻がチャームポイントのおかめインコのような顔をしている。この人からお母さんは毎朝、
「オーウ、オッハヨウゴザイマス。サトコサン。キョウモ、キレイデスネー♪」
なんて言われているそうだ。初めての頃は、次の日も次の日もだったので、(そーんなに私ってキレイ?)と思っていたらしい。そのうちにやっと、(なーんだ、あれはあの人のあいさつなのか。)と分かったそうだ。もちろん他の社員のこともホメまくっている。
「キョウノ スカーフ、イイ イロデスネ。」
からはじまって
「コンド、デートシマショ!」
まで。朝からこうしてほのぼのと笑いをさそって職場が明るくなる。そしてぐんぐんと一日が動き出すそうだ。
「これはさ、でもチリーノさんだからできるワザだよね。」
と、お母さん。
「イヤミがなく、上手にホメながらそれをあいさつにかえるなんて、そうそう一般ピープルにはできるもんじゃない。」
そうだなぁ。これを前川清がやったらぎこちなくなるだろうし、間寛平がやったら笑っちゃいそうになるだろう。
 さりげなく言えているチリーノさんって、イタリア人という看板を超えた本物のジェントルマンなのかもしれない。
学校にもこういう子がいたら、学校も明るく始まるのにな。

   講評   yuu



 マリアちゃん、こんにちは!マリアちゃんらしい、かわいらしい作品ですね(^^*)
 読んでいると、ふっと微笑んでしまう内容に、マリアちゃんの心の中の葛藤(かっとう)や恥じらいなど、とても女の子らしい素直な気持ちを感じました。三節目には、マリアちゃんの「あいさつ」に対する意気込みや考え方がうまくまとめられましたね。本当にマリアちゃんの言うとおり!世界中の人がみんなマリアちゃんのように「あいさつ」の大切さに気付いてくれたら、争いもなくなるのではないかと思いました。


 それから……、あいさつ上級者のイタリア人・チリーノさんのお話はとても楽しいですね。「おはよう」「さよなら」「いただきます」だけがあいさつではないんだね。そう言えば、「元気〜?」とか「おつかれさま〜!」とか、あいさつには色々な種類がありますね。握手もキスもあいさつなんだよねo(^▽^)o
 チリーノさんのようになるには熟練(じゅくれん)が必要かもしれませんから(笑)、私たちは、私たちらしく気持ちのいいあいさつができるといいですね。
 恥ずかしさを感じながら、小声で「こんにちは!」と言うのも、それはマリアちゃんのかわいらしさだと思うので、先生は大好きだよ。
                       
                        

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