創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化的カプセルを脱ごう!   いうや

旅行者たちをとりかこむ小さな「日本」あるいは、彼らが持ち歩く「日本」、それを「文化的カプセル」とよぼう。日本の観光客が「文化的カプセル」を持ち歩いていることを批判するアメリカ人だって、みずからが外国旅行に出かけるときは、「文化的カプセル」を持ち歩いているではないだろうか。「文化的カプセル」は、日本だけの特産品なのではない。しかし問題として残るのは、その皮膜の強度であろう。そしてぼくの見るところでは、日本人の場合、とりわけその「文化的カプセル」の外皮膜はかなり強く、それを内側から破ることを日本人はあまりしたことがないと思う。人間というものはおしなべて保守的な存在であって、自分にとってなじみのある世界から離れることを非常に嫌う習性がある。
 ぼくの家族は「文化的カプセル」をあまり持ち歩いていないと思う。ぼくは「ハワイ」にいったことがある。飛行機は日本の会社の飛行機だったけれど、泊まったホテルは「アメリカ」のホテルだったし、そこのホテルのプールで簡単な英語をしゃべって、アメリカ人と友達になったりした。食べ物も、ホテルのレストランも日ごとにいろいろな国の料理が出ていろいろ食べたし近くのレストランでベトナム料理も食べたりした。
 ぼくの家には一ヶ月前から、カナダ人の人が二人来ている。その二人のカナダ人は、ぼくの野球の試合を見にきたことがある。そのときにその二人はぼくのチームを、大きな声で応援をしているから、よく目立つ。ぼくがバッターボックスに入ると、
「ゴ〜〜〜ショウ〜!!ガンバレ〜!!」
と、言ったりするので、余計目立つし、こう言われたら誰の家に泊まっているのかわかるから、友達はみんなカナダ人の二人をじろじろ見ていて、試合が終わると、ぼくの友だちのほとんどが、
「ね〜將君。あの外国人さん將君の家に泊まっているの?」
 と、こそこそ聞いてくる。しかしなぜだか知らないけれど、カナダ人の二人に、直接自分からは聞きにいかない(笑)。みんな「文化的カプセル」に包まれているのかもしれない。
 「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、人間にとって「文化的カプセル」とは、なるべく持ち歩かない方がいいと思う。

   講評   huzi

この長文で、「文化的カプセル」の存在に気がついた將くんは、今後、友達がカナダ人の友人に接する場面で、「カプセル」が見えてしまうかもしれないね。

ひと昔ほどまえは、外国旅行をする日本人の姿が、メガネ&カメラで旅行会社の旗の後ろを列になって歩くマンガとして表現されたことがあります。アメリカ人だって、どんな場所に行くときもショートパンツにスニーカー、大きな声と身振りが特徴の集団としてマンガ化されることがある。人間は、とくに自分の知らない環境に入るとき、気持ちの動揺を知られないためにも集団になり同じスタイルで行動することにこだわってしまうのでしょう。


☆<●体験実例>には、さすが、自分にしか書けない話をもってくることができたね。

まずは、外国旅行の時の体験。ハワイでのすごしぶりを紹介していますね。日本にいるときと変わらない、リラックスしたようすで楽しめた。「文化的カプセル」の存在はまったくなかったのですね。 これは、外国にある程度なれている家族の存在も大きいのではないかな。 將君は、「家族」というカプセルに守られているから、「文化的カプセル」で自分の身を守ろうとしなくてもよかったのかも。

 カナダ人のお客様に対する、野球部の友達の反応はおもしろいね。今回のテーマにも、ぴったりの例です。友達は大声で將君を応援するカナダ人を見て、きっと「うわぁ。なんて積極的なんだ。もし話しかけられて十分に答えられなかったらどうしよう、はずかしい」と思うから、こそこそ將君だけに話しかけるんじゃないかしら。 相手の明るさが、かえって「文化的カプセル」を厚くしてしまうこともありそうだね。


★結論の段落で、“人間にとって「文化的カプセル」とは、なるべく持ち歩かない方がいいと思う”とありますが、これはどうしてかな。 今まで述べてきた自分の体験の中で、そう思う理由をつけたしてみよう。
<●ことわざの引用>はこれでOKです。

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