国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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もっと自分をアピール!! ALO—HA
じぶんがだれかということがよくわからなくなるとき、ぼくらは自分になじみのないものにちょっとでも接触することをすごく怖がる。自分の同一性を確保しようとするなら、ネガティヴにじぶんを規定するしかない。ぼくらは自分をだれかある他人にとって意味のある存在として確認できてはじめて、自分の存在を実感できる。そして、そのことを感じられるかぎり、ひとは自分を見失わないでいられるのだ。他者の他者としての自分の存在が欠損しているとき、他者という鏡がないと、ぼくらは自分自身にすらなれない。このことは自他の相互的な関係だけでなく、一見一方通行的な関係についてもいえる。
自分の存在を認識するため、人にアピールすることは良いことだと思う。
その第一の理由は自分を認識するために『人にアピールする』という手段を使わないと、自分自身にすらなることができないからだ。私たち人間は毎日毎日、他者にアピールすることで自分を見失わずに生活している。『アピール』と言ったらちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、母に今日の学校の出来事を話す事だって、友達と話しているとき自分の好きな人嫌いな人などを話したり、先生に自分の悩み事を打ち明けたりするのも『アピールしている』と言える。人間というのは、人としゃべることによって、自分の存在をアピールし、維持している。アピールの仕方はいろいろあるが、どんなアピールをするかは自分次第なのだ。
「存在するものには、良いとか悪いか言う前に、すべてそれなりの理由がある。」
という名言があるように、人間でもちゃんと個人個人、生きているのにはそれなりの理由がある。だから何もかもマイナスに考えず、自分のプラス面をひきだたせようとすることが大事。
自分の存在をアピールするということは、同時に自分の存在を確認していることにもなる。ひとは自分を見失わないでいられるのだ。そして、他者にあなたがいてよかった、といわれて初めて自分に自信がもてる。自分の存在をアピールするというのは、人生の中でも一番大切なことベスト3に入ると思う。
講評 sugi
難しい長文だったけれど、よく理解して、内容の深い感想文に仕上げることができたね。
要約部分、「そして、そのことを感じられるかぎり…」の「そのこと」が指す内容は何だろう? この要約では、「自分の存在」ともとれるね。原文では、「自分の存在が他者にとって少しでも意味があること」を指しているので、要約をするときは指示語にも注意してね。
元気に日常生活を送っている人ならば、アイディンティティが衰弱して「自分は何者だろう?」なんて悩むことはないかもしれないけれど、ALO−HAさんは、そんなことを考えたことはあるかな? 中学生、高校生のころは、いろいろなことに悩んで成長していく時期なので、この長文が自分自身を見つめなおす良いきっかけになればと思います。
人生において大切なことは何かという、大きなテーマでまとめたのは良かったよ。「アピール」という言葉を、読む人が狭い意味でとらえてしまう危険があるけれど、三段落目にきちんと定義したね。このあたりもさすがですね!
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