国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   衰弱したアイディンティティの   いてほ

衰弱したアイディンティティの
橘 宏一郎
 衰弱したアイディンティティのぎりぎりに補強、それを個人レベル、感覚レベルから見ればたぶん「清潔願望」になる。自分になじみのないもの、異質なものにちょっとでも接触することをすごく怖がる。そういうことすら不可能なとき、ぼくらはじぶんでないもの、他になるものの感染あるいはそれとの接触を徹底して回避しようとする。ぼくらは自分の存在を自分という閉じられた領域の中に確認することは出来ない。他者という鏡がないと、ぼくらは自分自身にすらなれない。自分の最後の防壁を過剰に防衛しようとするのは、異物との接触を徹底的に回避しようとしている潔癖シンドロ−ムだったのではないのか。
 僕も潔癖シンドロ−ムが何故起こるかは人間があまりにも用心深い種族だからだと思った。
 第一の理由は食べ物だ。自分が試したことのない食べ物を食べる人もいるがそう多くない。関西から来た人で納豆を食べる人もいるが、食べない人も多い。そういうことみたいなものだ。僕の学校のアメリカ人だって寿司が好きな人はクラスに二、三人しかいない。他の人は寿司と来ただけで嫌いそうな顔をするので、食べたことがあるのかと聞いてみたら、食べたことがあるという人もいるが大体が食べたことがない人で、食べたことがある人がまずいというからまずいといっているみたいなものだ。でも、その人たちの食べ物も僕にはまずそうに思えた(笑)。
 第二の理由は、満員電車はともかくみんなそうくっつきたがらない。アメリカなどでは特にだ。他人の顔の近くで喋るとみんな下がってしまうそのように人間はそうせせこましいところをあまり好まないと思う。後、たまに迷惑だと思うことがある。自分が早く行きたいのに前が詰まっていていけない。そういうとき早く混雑を抜けようとする気持ちとあまり他人とぶつかりたくないという意識が重なっていっそう「清潔願望」が高まってしまう。
 しかし、危険な場所などは、みんなでかたまったほうが良いときがある。例えばサバンナの大草原に一人さびしくたっていたら危ない。何故なら、色々な動物などに襲われてしまうからだ。そうしたら人数が多いほうが一人でも長く生き延びれるし、心細くならず、団結して戦うことが出来る。「二つの頭は一つの頭よりも良い」とあるようにみんな集まるが、人間は心細いから仲間をほしがるしかしそういう事態は今の社会ではめったに起こらない。

   講評   jun

 これはむずかしい長文だったでしょう? 電話での説明もなくて苦労したのではないかな? でも、自分なりのテーマをとらえてよくがんばったよ。「潔癖シンドローム」という点に焦点を当てて意見を書くことができたね。
 人間は用心深いからこそ潔癖シンドロームが起こると分析したわけだね。一つ目の理由では食べ物の例が挙げられているけれど、確かになじみのない食べ物を口にするのは勇気がいるね。二つ目の理由で書かれている人間同士の距離の問題もそのとおりだと思うよ。アメリカ人は特に自分の領域に他人が入り込むことに敏感なようだね。
 結びは、いつものように反対意見への理解を示した上でまとめることができました。反対意見への理解だけで終わっていないところがいいよ。ただ、最後は現代社会の状況ではなく、宏一郎君の意見をはっきりと示してしめくくることができるとなおよかったよ。

                        

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