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　　　人間独特の手作りのもの　　　れもん

　手仕事が必要なのは、機械によらなければできない品物があるとともに、きかいでは生まれないものがかずかずあるわけです。欧米の事情にくらべますと、日本ははるかにまだ手仕事に恵まれた国なのに気づきます。多くの職人たちはその名をとどめずにこの世を去っていきますが、かれらが親切にこしらえた品物のなかに、かれらがこの世にいきていた意味が宿ります。
　私はこの話を読んで、多くの職人が名をとどめずにこの世を去っていくということにびっくりした。
　私の母は今はなにも自分の手ではつくってくれない。でも、本人（母）の話によれば、前は（私が二歳の頃）まるで、今とはウサギとカメの足の速さのようにちがって、私のために、たくさん色々なものをつくってくれていたそうだ。でも、私がその時のことを覚えているはずもない。
　私の学校では五年生になってから、家庭科が始まった。私は母の影響からか家庭科は不得意だ。私も家庭科はあまり好きではない。なぜなら、おさいほうの場合、丁寧にぬっていくのが面倒くさいからだ。それに、少し間違えただけで、また最初からやり直さなくてはいけないためいらいらする。しかし、自分でつくるのは嫌いな私でも、例えば（このようなことはないが）機械でつくったものと、人間の手で作ったものが同じ値段で売っていたらもちろん人間の手で作ったものを買う。　人間の手でつくったものは機械とはちがって、一気にたくさんの物を作ることはできない。また、機械とはちがって、正確に０．０００１ミリまで正確であるわけではなく、多少のずれもある。けれど、それこそが人間独特のもので、人間の手で作ったものの良いところだと思う。確かに、機械で作った場合、洋服だったら一時間に何枚もつくることができる。その上、０．０００００００００１ミリまで正確だ。しかし、私にはそれが気持ち悪いとしか思えないのだ。だから、私は人間の手で作ったものの方が好きだ。
　このように、私は、現代、機械でつくられるものが多くなっているが、人間独特の人間の手で作ったものも大切にしていかなくてはいけないということがわかった。

　　　講評　　　nara