創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「『働かざるもの食うべからず』だぞ〜!」   キティ

「『働かざるもの食うべからず』だぞ〜!」
「ずずずず・・・。あ〜。」
お母さんがお茶を飲んでいる。ふと時計をみると午前三時。お母さんの一日の始まりの音だ。
早起きはお母さんの趣味らしく、子供のころから朝型人間だったらしい。午前三時から洗たくものを干して、ゆっくりお茶を飲みながらインターネットの新聞を読む。朝ごはんは四時半くらいからむしゃむしゃ二杯はおかわりするそうだ。
「んじゃ!行ってくるよ〜!」
と、朝から元気バリバリ★のお母さん。
「・・・いってらっしゃ〜い。・・・今日も一日がんばってね〜・・・。」
午前6時。私はベッドから半分寝たまま、言葉だけで見送る。
 私のお母さんは会社の経理部で働いている。計算がものすごく早くしてほとんど暗算でぱっぱとやってしまう。ドル・ユーロの換算も思いのままだ。キーボードはボロボロ。仕事中なんども打ったということがすぐ分かる。
 お母さんのデスクには、私と京太お兄ちゃんと弟の輝の写真が飾ってある。私が母の日にあげた陶器のあひるもあるし、私がつくった紙の「おまもり」や、輝が描いたオニの絵(魔よけのつもりらしい)もある。お母さんのデスクがいちばん賑やかだ。家族と仕事が両立されているが一目で分かる、かわいいデスクだ。私もいつかお母さんのようになりたいと思う。
 しかし、お母さんが家にいなくて困ることもいくつかある。
①お母さんの手料理は週末だけ。
 平日はおばあちゃんの家でお昼ごはんを食べる。夕飯の分まで残るように作ってくれるので『お持ち帰り』まで持たせてくれる。おばあちゃんのお料理もおいしいけれど、においをかぐだけで天国にいるような気分になれるお母さんの料理はもっと最高だ。残念ながら、お母さんの手料理は週末だけなのだ。
②勉強を見てもらえない。
 お母さんが会社に行くことになってから私の勉強を見てくれる人がいなくなった。私は勉強が好きでもなければきらいでもない。しかし家に勉強を教えてくれる人がいないのはやはり寂しい。間違ったことを書いても、すぐその場でだれも直してくれないのだ。だから間違ったままの計算のしかたや漢字の書き方を覚えてしまうことがよくある。
③そして家の仕事。
 食器洗い機の出し入れ、キッチンの片付け、ごみ捨て、全ての部屋の掃除機かけ、早朝、弟のお弁当つくりまで。全部私とお兄ちゃんがやらなければいけない。お母さんが会社から帰ってくるまでのあいだに家をきれ〜いにしていなければ、お母さんの機嫌が悪い。「『働かざるもの食うべからず』だぞ〜!」がお母さんの口ぐせなのだ。
 しかし、お母さんが会社に行っていていいこともたくさんある。例えば、
①料理が作れるようになった!
 お母さんの手料理は土日にしか食べられない。けれど、その週末に私はたまに料理を作っている。初めは、(お母さん、疲れているだろうなぁ。)と思って作ってあげたのがきっかけだった。スパゲッティ、とんかつ、各種サラダ、インスタントスープ、プリン・・・今では家族全員が有り難がって食べている。
②テストをみせる見せるとき・・・
 お母さんが家にいる場合、いつテストがあったかきちんと分かっているので、家に帰ってくると、
「テストどうだった?」
と必ず聞いて来るだろう。だが私のお母さんが夕方六時まで家に帰ってこない。お母さんは家に帰ってくると、インターネットの新聞を読んで、お風呂に入り、洗濯物をほして、テレビを見て、ご飯を食べて弟と夜八時〜九時までには寝てしまう。
 テストの成績が悪かった場合、私は何にも言わずにごまかして、お母さんが寝るのをじっと待つ。そして次の日の朝まだ半分寝ているお父さんにそれを見せて、『見ましたサイン』をしてもらう。お父さんはまだ半分寝ボケているので、何をしているかよく分かっていない。こうして私はまんまとお母さんにテストを見せずに切りぬけるのだ。もちろんテストが良かった場合は堂々とお母さんに見せてたっぷりほめてもらう。成績によって見せる人を変えることができるので、お母さんが働いているのはなんとなく便利な気もする。
③家事だって。
 弟が生まれた年の三才の頃から、弟のパンパースをごみ箱に捨てにいくことから私のお手伝いは始まった。家のことをいろいろ手伝わされているうちに、自然とクセになってしまった。家事をするのが自分にとって当たり前になってしまったのだ。これは普通じゃないね、と思いながらもがんばってしまうのだ。おかげで家事がほとんどできるようになってしまった。
「良かった。マリアが女で。」
と、京太お兄ちゃんからも感謝されている。
 私は将来、幼稚園の先生になりたい。
 お母さんのように、六時半の汽車で会社へとまではいかないが、この仕事も朝早く起きて、幼稚園のバスに乗って子供たちを迎えに行くなどとても大変な仕事だ。お母さんのようにかっこよくキーボードが打てなくても、私は小さな子供たちの面倒を見る仕事も素敵だと思う。私は小さな子供が好きだ。小さい子供になにかを教えることがとっても好きだ。だからだから幼稚園で働きたいと本気で思っている。
 しかし、『クレヨンしんちゃん』のような子供たちばかりだと、ちょっと大変だろうな。。。

   講評   yuu

いろいろなところに楽しい工夫をしてくれましたね。作文の書き出しもとてもインパクトのあるものになっています!箇条書き(かじょうがき)にしたところも楽しいね♪

こちらはだんだん寒くなってきました。さすがにもう11月。でも私は冬が大好き!マリアちゃんの街では雪が降るのかな!?風邪をひかないように……


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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