低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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歴史を学ぶ意味 太公望
歴史を学ぶというのは、自己中心性を脱却するためである。つまり客観性を持つことである。物事に対して客観性を持つということは大事である。自分の中で冷静な判断が出来るということだ。しかし、歴史に対してあまりに客観的になるのはどうであろうか。歴史は、自分の国の歴史を学ぶのである。世界を見れば様々な国が歴史を国家の精神的支柱としている。自国の歴史を、客観性を持って学ぶと国家として国民の結束を求めることが出来ない。歴史を学ぶことが意味のあることでなければ問題である。
第一の対策として、最も基本的なことは自国の歴史を正しく教えることである。日本の歴史教育というのは、あまりきちんとなされていない。よく新聞で「原爆が落とされた日を知らない子が増えている」といった記事が見られる。今、日本の歴史の基本的事項すら知らない人が増えている。だれしも学校で学んできたはずなのに知らないと答えるのは、覚えていないからである。つまり学校での歴史の授業がいかにつまらないかということである。日本の学校における歴史の授業は、ほとんどテストで点をとるため、または受験の為である。歴史を学ぶ意義が失われているのである。私の中学校時代、日本史の授業は、先生が過去の歴史が今にどう影響を及ぼしているかやその歴史の背景などを細かく教えてくれた。これが本当の歴史の授業なのではないか。
第二の対策として歴史からものごとを学ぶと言う考え方を持つことである。歴史は国において教科書的存在と言ってもいい。今日本に戦争をしないと言う憲法があるのも歴史の教訓である。しかし、日本は他国に比べ自国史を重要視していなかった。歴史の教科書を見ても自虐的や自己否定的な文章があり、誇りと言うものが感じられない。新しい歴史教科書を作る会が製作した教科書は文化、伝統面を重視し日本人が誇りを持てるような内容になっているらしい。このような主観的要素が入った教科書が出てくる時代になった。日本人は、自国の歴史に誇りを持っていないため歴史を振り返ろうとしない。それを考えると今回のことは日本にとって良いことである。
確かに歴史を、客観性を持ってみていかなければならない。あまりに主観的に見ていると都合のいいように歪曲してしまうことがある。しかし、今の日本においては歴史から一歩離れて考えるのではなく在る程度主観的に歴史を考えていくべきである。そうでなければ日本人としての歴史的物の見方、考え方が出来なくなってしまう。これは、日本人がまず克服すべきことである。
講評 jun
客観的な視点から歴史を見ることは大事であるし、事実を冷静に判断することができるけれど、客観的な見方にこだわりすぎると、歴史を学ぶことにほとんど意味がなくなってしまうと言えるね。
そうならない対策としては、まず歴史を正確に教えること。「原爆が落とされた日を知らない子供が増えている」という例はインパクトがあってとてもいい。もちろん、誰でも歴史の授業を受けているわけだから知らないはずはないのですが、それだけ歴史に対する興味が薄れているということでしょう。歴史が単なる暗記科目という位置づけにならないように教える側も教わる側も歴史を学ぶ意義から理解する必要があるね。
二つ目の対策は、歴史を単なる歴史として見るのではなく、学ぶべき教科書、教訓として見ていくということだね。歴史が私たち現代を生きる者に教えてくれることは数多くあるはず。事実は事実として認めながらももっと歴史に思い入れがあってもいいかもしれないね。
結びは、反対意見への理解を示してまとめることができました。自作名言のキーワードも入ったね。日本の歴史を真剣に考えることのできるのは私たち日本人しかいないのだから、日本人としての歴史の見方を大切にしていきたいですね。
▲「為」→「ため」 ひらがなで。
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