国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間にとって大切なもの   いなふ

年寄りが行けるような身近な場所に、薪採りの出来る林があり、また、家のすぐそばには洗濯の出来るきれいな小川が流れているといった、この素朴な集落の光景は、日本人にとっての一つの原風景といってもよいだろう。
 背後に山を背負い前には平野を望む扇状地は、水はけのよい土に恵まれ、またその末端のあちこちからは、一度伏流した谷川の水の一部が再び穏やかな小川となって流れ出している。それは、日本の自然の中でもっとも人間にやさしい部分といってよいだろう。
 そんな人間にとって優しい自然だがその反面恐ろしい部分もある。
 去年私が住む広島に大きな地震がおきた。震度六弱、阪神大震災なみだった。私の家の被害は食器が割れて、ぬいぐるみが落ちる位で済んだがそれだけでも恐ろしい。あの時の事は忘れることの出来ない思い出であった。
 今年の桜は咲くのが早かった。それは温暖化の責任では・・・。と聞いたことがある。温暖化、今、世界は温暖化におかされている。南極ではその温暖化のせいで、氷が溶けていっている。それが悪化すると海面が上がり、私たちのいる場所がなくなってしまう。それも人間のエアコンやストーブなどの電化製品をたくさん使いすぎたせいだからだ。
 かつてまだ、昔話のような懐かしい風景は残っているのだろうか。(寒戸の婆)それは松崎村寒戸のある民家で、若い娘がなしの木の下に草履を脱ぎ置いたまま行方不明になり、三十年余り過ぎたあとある日、親類縁者がその家に集まっていた処へ、ひどい老婆となって帰って来たどうして帰って来たかとかと問うと、人々に会いたくて帰ってきたと言い、また再び去っていった。その日は風の激しく吹く日で、それ以来今でも、遠野卿の人々は風の激しい日には、今日はサムトの婆が帰ってきそうな日だと言っている。少し怖い話だが、こんな風景がたくさん残っていることを願う。こんな所が多いと地球が温かいのだろう。
 私の祖母の家の近くはすべてが川や畑でつながっていて、空気がおいしい。コンクリートの中にいつもいる私は祖母の家に行くと心があったまる気がする。私にとって無くてはならない所である。
 人間にとって自然とは人間が生きていくのに必要ものである。確かに自然は恐ろしい面も持っているがそれは人間にも問題がある。人間は自然のおかげで、生きていける。それを忘れてはいけないと思う。『剣によって立つものは剣によってほろぶ』とあるように力任せに手に入れようとする人間は自然の大きな力によってほろぶかもしれない。

   講評   kiri

咲恵ちゃん、こんにちは。1000字を越すとは大作を書いたね。今回の長文、電話では「要約が難しい......」と悩んでいたけど、さすが咲恵ちゃん、うまくできていたね。要約で悩んだ時は、こんなふうに「抜書き」を思い出そう。自然の恐ろしい面と優しい面をうまく探すことができました。食器が割れるほどの地震を先生はまだ経験したことがないけど、広島のその地震は自然の恐ろしさを目の当たりにした出来事だね。また、いま問題になっている「地球温暖化現象」も人間が自然の恐ろしさを考えずに自分たちのいいように過ごしてきたことへの警告だね。「寒戸の婆」の話もよく思いついた。昔から人々が自然をおそれ、自然には人間にはない大きな力があると考えたことからうまれた話なのかもしれないね。この話の舞台となった遠野市はどんな所なんだろう。今でもこのお話しのイメージを残すところなのでしょうか。自然が身近にあると心があったまる気がするのは誰も同じだろうね。咲恵ちゃんにとっておばあちゃんの家は大事な存在だね。今月は自然の大きさについて、いろいろ考えさせられた1ヶ月でした。
★ ひどい老婆となって帰って来たどうして → ひどい老婆となって帰って来た。どうして
★ かつてまだ → まだ
★ どうして帰って来たかとかと問うと → どうして帰って来たかと問うと

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
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