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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   老人に習うということ   クラシック

 昔話で老人とは、何か解決役というイメージがある。例えば、やまなしという話がある。あるところに三人の仲の良い兄弟がいた。三人の良い兄弟には母が居て、母は重い病気にかかっていた。
 かえらず山の上質のやまなしを母に食べさせればきっと元気になるだろうと思い至った三人の兄弟の長男は、かえらず山に登るのだが、長男が一本道に指しかかると、老婆が倒れていたが、それどころではないと長男は無視してしまった。やがて、道の先に沼が見えた。その沼の岸には大小たくさんのやまなしの木があって、どの木にもおいしそうなやまなしが熟れていた。長男はたくさん採れるように大きなやまなしの木に登るのだが、湖に長男の影が映った瞬間、沼の主(これは、地域によって大きなナマズだったり、ウナギだったり異なるようだが)が沼の中から飛び出してきて、ぺろりと長男をたいらげて殺してしまう。兄が遅いのを不審に思った次男もやまなしを採りに出かけるのだが、やはりやまなしの木の所で飲み込まれて死んでしまう。やがて、兄たちが帰ってこないのを心配した三男が、やはりやまなしを採りにかえらず山に向かう。しかし、三男は、老婆を助けてやる。老婆は、お礼にと一本の脇差を三男に渡し、影を湖に写さないように気を配りながら中くらいの木に登るのだという。老婆の言うとおりに中くらいの木に登ってみると、なんとちょうど死角になって、湖に影が映らない。三男は、おいしそうなやまなしをたっぷりともいで木を降りようとするところ、足を踏み外してしまい、なんとか体制は建て直したものの、湖に影を写してしまう。沼の主は、三男も飲み込んでしまおうと飛び出してくるのだが、三男は老婆から貰った脇差のおかげで、沼の主を逆に殺してしまう。
 この話は末子成功憚とも呼ばれるらしいのだが、今回のテーマとは関係無いので触れるのはこれだけにしたい。
 さて、この話には、若者が三人と老婆が一人出てくる。やはり老婆は解決役で、その話の通りの方法をした三男だけ生き残ったというわけだ。この話は作り話に他ならないわけだが、この図式は現実にも成り立つものである。現代、老人は頑固で融通が利かないものだと決め付けられている。確かに、老人には、固定観念や迷信に囚われているという感も否めないが、実は長い人生経験に伴う柔軟な性格の持ち主でもあるのだ。伝記における、負け戦を奇抜な戦法であっという間にひっくり返してしまうような、いわゆる策士という存在にも、老人が多く名を残している。
 私も実際に子どもの頃、祖父や祖母の知恵袋に深く驚嘆したものだ。
 人は、生まれてから死ぬまで、さまざまな経験を積み重ねていく。経験が浅ければ、あさはかであり、深ければ知恵者であるというものは、いわば人間の定理のようなものだ。
 老人の柔軟な思考の源は才能よりもはるかにひっくり返し難いもの、何重もの経験の層なのである。
 若者たちは、ほんの少しでも老人たちに習うべきではなかろうか。

   講評   jun


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