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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉との付き合い方   ルフィ

 言葉と経験は、結び付いているものだ。それは、例えば手を上げるという行為にしても実際は筋肉の複雑な収縮が必要だがそこまで考えなくても脳がひとりでに働くということだ。スポーツなどでもこのようなことは良く見られる。スキーの前傾というのも、言われただけではできないが経験を積むことによってできるようになる。しかし、言葉が行動を支配することもある。何かをやるときに失敗の方法を知って失敗することはないが、どういうわけか失敗してしまうことがある。そして、同じ事を次にやるときにまた失敗するかもしれないと思ってやると見事失敗を繰り返してしまうのである。言葉には、その人にとってプラスになることと、マイナスになることがある。
 言葉を使うことによって、物事がわかりやすくなったり身につきやすくなったりすることがある。僕はバスケットボール部に所属していが、入部したばかりのころこんな体験をした。バスケットボールのディフェンス(守備)は、重心を低くした方が良いのだがそのころの僕はそれが良くつかめなかった。そこで、先輩達に「腰を落とせ!」とか「膝を曲げろ!」とかいわれた。そして、そうすることにより確かにディフェンスがしやすくなったのだ。ただ、疲れも倍増したが(笑)もしそこで、「重心を低くして状態は起こして腰は・・・」などといわれたら始めの十数文字で僕の頭は使い物にならなくなっただろう(爆)しかし、一言「腰を落とせ!」といわれたからこそ、理解できたのだ。言葉は、まるで奇跡のような効果をもたらすことがある。
 しかし、言葉が自分の行動を支配してしまうこともある。あの有名な浦島太郎を例にあげてみよう。念のためあらすじを書いておくと、村の子供たちにいじめられていた亀を浦島が助けるところから物語は始まる。亀が助けたお礼にということで、海の下の御殿竜宮城に浦島を連れて行く。そこにはこの世のものとは思えないほど美しいものがあった。日もたつのも忘れて7日間、地上が恋しくなり帰ろうとすると決してあけてはならない玉手箱を渡される(個人的にはあけてはならないのだから渡す必要なないと思うのだが)いざ地上に戻るとそこは一面野原。行き会う人に聞いてみると700年前に浦島という若者がいなくなったと伝えられているという。驚きと悲しみのあまり玉手箱をあけると煙が出てきてたちまち老人となってしまった・・・・といった昔話だ。しかし、最後の場面に注目してもらいたい。驚きと悲しみのあまりとあるが、きっと浦島は「俺は不幸だ」と思ったに違いない。そして、その言葉が浦島に箱を開けさせるといった愚行をそそのかしたのではないか。現に冒頭部分に見られるように浦島はれっきとした好青年だ。言われたことは守るような人が、約束を破るのはやはりそのような言葉の所為に違いない。言葉は、時に恐ろしくもなる。
 確かに言葉には良い面も悪い面もある。しかし、大切なのはその裏に隠された経験ではないのであろうか。「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。」という名言のように経験から発せられる感も少しは頼りにしないと言葉によって踊らされる人生となってしまう。八方美人という言葉がある。誰からも良く思われるように振舞う人を皮肉った言葉だが、この場合にも当てはまると思う。というのも、誰かにこういったああいったとかでその言葉のとおりに生きるはめになるからだ。人生には、いろいろな生き方があるはずだ。マニュアルを探してそれどおりに動くのもそうだし、経験を頼りに生きていくのもそうだ。ただ、言葉と経験は常に一緒であることを忘れないで欲しい。スポーツだって、勉強だって経験があるからこそ独特の言い回しがありそれを自信を持って言えるのだ。そのことを忘れなければ、きっと「我が人生悔いは無し!」といいながら最後の時を迎えられるだろう。

   講評   kira


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