国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。 ▶ 国語読解クラスのご案内

昨日747 今日233 合計5575□

　　　警察ガンバレ　　　いよち

警察ガンバレ
長谷川　真樹
　12月10日（火）僕の住む甲南町で、信じられない事件が起きた。それは、郵便局に強盗が現れたのだ。
朝１１時ごろ、甲南駅の近くの小さな郵便局に、刃物を持った男が押しかけてきた。そして、居合わせた女性客にその刃物を向けて、局長さんに
「金を出せ！！」
と怒鳴った。局長さんは、あわてて何枚かお札を男に渡した。男は
「これじゃ少ない」
と怒鳴って、カウンターに灯油をまき、それにおびえた局長さんが、さらに何枚かお札を差し出した。すると、男はライターで火を付け、外に止めてあった軽トラで逃走した。その時、男は数枚のお札を外に落として行った。
　火は、消火器で消し止められけが人もなかった。男が持ち去ったお金は、10万5千円だった。まだ犯人はつかまっていない。
この事件のおかげで僕たち小学生は、集団下校となった。また、中学生はクラブ活動が中止になった。街はパニック状態だった。夕方のニュースでも放送されたし、次の日の朝刊にも大きく取り上げられていた。
局長さんは、事件のことを思い出すと、今でも恐ろしくなるのかもしれない。また女性客は外に出るのが、嫌になっているのかもしれない。僕はこの事件を聞いて、犯人がまた別の所で強盗をしないか心配だ。だから早く犯人が捕まってくれるのを待っている。警察ガンバレ！！

　　　講評　　　yue

真樹くん、こんにちは。先週は、添削をつけられなくてごめんなさい。旅行することおをメールでお知らせしたのですけど、届かなかったようですね。今度からは、直接評価データでお知らせしたいと思います。心配かけてしまって、本当にごめんなさいね。今回の作文ですが、真樹くんの得意な、見たこと、聞いたこと、感じたことをすっきりとまとめた、リアルな文章になっていますね。真樹くんは文章で、読む人に情報を伝えるのが丈夫だから、新聞記者のような職業が向いているかもしれないと思いました。

☆「朝１１時ごろ〜つかまっていない」事件の内容を、まるでその場で見ていたかのように緊張感をまじえて書き表していますね。ニュースや新聞で読んだことを真樹くん自身でまとめたのでしょうか。文章を書くことに慣れていない人はよく、自分の気持ちや感想を途中で書き入れてしまうのですが、真樹くんはそれらを後回しにして、事件そのものだけをさらりと伝えることができていますね。こういう文章のセンスが真樹くんのセンスだと長所だと思います。これからも、このリズムを大事にしていってくださいね。
☆「この事件のおかげで〜」真樹くんの周囲に、事件が与えた衝撃や影響がわかりやすくまとめられています。ただ、これにプラスして、真樹くんが友達や家族とどんな会話をしたか、その内容なども少し書いておくと、なおいいでしょう。この事件が真樹くんの身近なところで起こったのだ、という感想を、読み手が抱くことができると思います。
☆「局長さんは、事件のことを〜嫌になっているのかもしれない」相手の人の気持ちをよく想像し、文章にできています。真樹くんの思いやりが強く表れている文章ですね。
●「軽トラ」→「軽トラック」略さずに書きましょう。