低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉と行動 ベッカム
人間は、「また、失敗するかもしれない」と思うと、ほんとうに失敗してしまう。もちろん、「こんどは絶対に成功するぞ」と思い込んでも「失敗したらたいへんだ」ということばに負けてしまう場合がある。成功した経験がないと、「成功」ということばでは脳は成功に向かってはたらかないからである。これとは反対に、成功する人は成功を重ね「失敗する気がしない」と自信満々である。どうしたら成功するかは、本人にも自覚されていないが、以前に成功した経験があると、そのときの脳のはたらきがひとりでに進行して、成功を重ねることになるのである。
言葉が行動にプラスの影響を与えることは多い。僕は、小さい頃からバイオリンを習っている。最初、弾き方などが全然わからないとき、先生がバイオリンを持つ手は卵くらいあけるんだよなどと教えてくれてよくわかったということがあり、今でもそのことを思い出しながら弾くこともある。今ではテニスをやっていて、何度も先生がやっているのを見るよりも、聞いた方がわかりやすいことがある。たとえば、先生が実際に打っているのを見せられるよりも、スポンジのように軽く打つなどと言葉で言われた方がすぐわかる。野球でもプロがボールを打っているのや、大人の野球のうまい人がボールを打っているのを見るよりも、「ボールをよく見て、肩の力を抜いて、」などと具体的に言葉で言ってもらったほうがわかりやすい。
しかし、言葉よりもまず行動が大事な場合がある。いくら言葉で説明してもらっても、体で覚えなければ本当の意味で身に付いたとは言えない。僕もテニスで、何度も本などを読んでそのことを覚えても、自分でやってみないとそれが出来るかどうかわからない。
昔、僕は体操を習っていた。先生が倒立の説明をしてくれて、その内容は自分で理解できているのに、結局倒立は出来るようにならなかった。その時僕は、どんなに物事を理解しても自分の体でやらないと出来ないということがわかった。昔話のさるかに合戦でさるをけることができたのは、話し合いをするだけではなく、それをすぐに行動に移したからだと思う。
確かに、言葉で物事を理解することも、まずは行動を取るということも、どちらも大切であるが、一番大切なことは「いかに飽きずに続けるかではなく、飽きることと続けることとをいかに両立させるかということが大切だ。」という名言があるように、好きだと思ったことを、一生懸命続けて、それを上達させることだ。
講評 nara
以前、「ポジティブシンキング」という言葉がはやったけれど、どのように物事をとらえるか、意識の持ち方というものは、行動に大きな影響を与えるのだね。意識はすなわち言語によって形成されるから、プラス志向の言葉をイメージすることで、行動がついてくるということは、普段の生活でもありうる話だ。
その一方で、言葉だけではなかなか身体に影響を及ぼすまでにいたらないということも、実際には存在する。それぞれの題材を、自分の体験を元に丁寧に説明できた。結局のところ、どちらも人間の持つ特性だから、どちらか一方ですべてが解決するというわけではないのだね。
まとめの名言はおもしろいものを見つけてきたね。「飽きると続ける」を両立させるために、どうすればいいのか。ここに、今回のテーマである「言葉と行動(肉体)」を絡めてみるとよさそうだ。
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