国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   漢語の実態   ハム

 方言で「つるべ」のことをツブレ、「ちゃがま」のことをチャマガ、「つもごり」をツモゴリと言う所がある。このような現象は幼児の言語に見られるもので、恐らく起こりは幼児時代の言語に始まったものであろうが、ある地方でこのような誤りが定着したのも、本来「釣る瓶」 「茶釜」 「月隠」であるという言語意識が薄れてしまったからであろう。語源が分からなくなると、もとの語の発音や意味に変化を来すことがある。漢語の場合には、それに使われた漢字が忘れられると、意味用法の転ずることが少なくない。言葉の正しさを論ずる時にとかく語源が引き合いに出されるが、語源の通りでは社会状勢の変化のために合わなくなる物が多い。社会は複雑になり、人の心理も単純ではなくなるから、語源の通りであることが正しいということになると、今の現実の社会には合わないことになる。そうかと言って、一々言葉を言いかえるのも大変なことだろう。結局、言葉は各人の言語意識によって動いて行くようである。そして、その言語意識を作り上げるのは、主としてその人の経験、教養、学校で受けた教育である。言葉の正しさの規範意識もそこから生まれ出るようだ。私は実態に合わせて言葉を変えていくべきではないと思う。
 その理由は第一に、頻繁に言葉を変えると混乱が起こるからだ。例えば、センタクからは漢語の「洗濯」が連想される。もし「洗濯」だとすると、それは洗いすすぐことである。よく分からないが、実態に合っていないと思う。
 その理由は第二に、日本の文化に根づいた慣れ親しんだ言葉には愛着があるからだ。四季を代表する旬の食材データを見ると、春1位タケノコ夏1位スイカ秋1位サンマ冬1位大根と、多くの人が共通して感じる感覚があるということが分かる。言葉も、昔ながらの使い方がいちばん落ち着くのではないだろうか。
 確かに実態と言葉が一致している方が分かりやすいこともある。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言もあるように、自分になじんでいる言葉を使った方が実感がわくのではないか。

   講評   kamo

いつものように、いいかたちで書くことができました。
意見とその理由を複数書いていくかたちもしっかりできているね。
ただ、「せんたく」については少し説明不足だったのではないかな。まず、裁縫のことを「せんたく」という地方がある、という話を書いてからではないと、何が「実態に合っていない」のか、よくわからないね。この例を選んだのは何か特別な理由があったのかな? ここは、たとえば「黒板」のような、「自分がふだんよく使っているが実態に合っていない」言葉のほうが、わかりやすく書けたのではないかなぁ、と思いました。
第二の理由は、データを使って、慣れた言葉を使っていくよさをじょうずに説明できた。
結びの段落も「反対理解」から「名言」を使って、主題をくり返す完璧な形。
この調子で練習していきながら、実例を充実させるために、事前に長文を読み込んで自分らしい題材を準備できるといいね。

▲「つもごり」をツモゴリ→「つごもり」だね(^^;)

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