国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   冬鳥と餌   こめ

 今年も、手賀沼に冬鳥が渡ってきた。手賀沼にとって、冬は一番鳥が多くてにぎやかな季節だ。その理由は、カモなどの水鳥、オオジュリンやウグイス、アオジなどが飛来するからだ。特に、カモやユリカモメなどの水鳥は、毎年何百羽と渡ってくる。手賀大橋のそばには、オナガガモやオオバン、マガモなど、200羽くらいの混群がいる。また、手賀沼を一周するといろいろな種類の冬鳥が見られる。その中には、目立った特徴をしている鳥がいる。例えば、ハシビロガモは、嘴がまるでしゃもじのような形をしている。この嘴は、水面にういているものを食べるのに適している。カンムリカイツブリは、頭に冠のような飾り羽をつけているのが特徴的だ。
 今年は、カモの数がいつもより微妙に少なめだ。その理由としては、北千葉導水路ができて放水を開始したからだ。このおかげで手賀沼は去年ワーストワンを脱出したが、その時に今までなかった水の流れができてしまった。そのため、水面にういているものがすぐに流されてしまい、ハシビロガモなどそれらを食物とする水鳥が減ってしまった。だが、いろいろな種類のカモが来て、コハクチョウも来ているということなので、僕は、あまり数が少ないということは気にしていない。コハクチョウは、100年くらい前は、手賀沼にも大量に飛来していたらしい。しかし、50年くらい前になると、コハクチョウの姿が見られないようになってしまった。その後、稀に見られるようになり、現在は毎年1〜5羽が来ているという。僕は、このままコハクチョウの数が増えたらいいなと思う。
 印旛沼の近くには、ハクチョウが200〜300羽集まる池がある。そこに集まる理由としては、人間が餌付けをしているからだ。手賀沼にも、そういった理由でカモが集まる場所が3カ所ある。1つ目は、前に書いた手賀大橋のそばだ。そこは最初から餌が豊富であるが、人間も餌付けをしているので、大群が来るようになったらしい。2つ目は、親水広場の中央の岸だ。ここは、一番餌をあげる人が多いため、冬鳥が集っているらしい。3つ目は、手賀沼公園の岸だ。ここも餌をあげる人が多いために集まっているらしい。しかし、そういったところには集まらなく人影があまりないところに集まるカモもいる。僕は、餌をもらえる場所に集まるカモと、人間のいないところに集まるカモがいるのはどうしてだろうと思う。
 越冬しているカモなどに餌を与えることは、良いか。確かに、良いという意見がある。冬の間は、カモにとっても餌が少ない時期だ。そのため、餌が少ないとカモなどの中にはそのうち飢えてしまうものもいるかもしれない。また、餌を与えて水鳥が自分に近づいていくということで、水鳥を間近で見ることもできる。
 しかし、餌を与えることは良くないという意見もある。餌を与えても、カモなどが食べてくれない場合がある。その場合、食べ残された餌は、ポイ捨てしたごみと同じく、湖沼を汚染する原因となってしまう。また、餌をあげ続けていると、人間になつきすぎて自分で餌を探す能力が薄れてしまう。また、春になっても北に渡らない鳥も出てきてしまうだろう。これでは、まるでおりのない動物園だ。
 確かに、カモに餌を与えるということは、良いことでもあり良くないことでもある。餌がたくさんある所では、餌をあげても食べないことが多いし、逆に餌が少ないところでは、餌付けをしないとカモが餓死してしまうこともある。僕は、カモに餌を与えたいときは、周りの状況を把握してから餌を与えるあるいは与えないということを実行したらいいと思う。

   講評   yuu




 カモに与える餌についての賛否両論。
 崇明くんの意見は公平な立場にあるようですね。作文を書くとき以上に論文となると、書き手の意見を強く求められるようになります。「良い」・「悪い」の意見で留まっていては、小学生の作文の域を脱することができないとみなされるわけで、自分の意見を断固として主張するだけの根拠であり、考察を求められて当然でしょう。あらゆる意見を考慮した上で、結論を導く思考が優秀な崇明くんなので、今回のように様々な実例を用いながら最善の策を求める手法はとても見事ですね。
 毎年手賀沼の観察を続けている崇明くんですから、年ごとの変移を実感していることでしょう。短期間の実験・考察では見えてこない視野の広い意見がこれからは求められてくるはずです。「今年の報告」に留まらない壮大な意見文を、来年の冬も期待しております。

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