国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   地域の輪   rainbow

ボランティア精神、相互扶助精神が発達していると言われているアメリカでは、毎週日曜日に教会に集まる。そこに「地域の輪」が生まれる。面識のない人同士でも、時間と空間を共にすることで、輪が広がってゆく。しかし、日本では、仕事に追われ時間的ゆとりがないせいか、「地域の輪」をつくるきっかけがなければ場もなく、地域社会の意識がうすれつつある。では、ボランティア精神を発達させるためにはどうすればよいのだろうか。
 まず何が原因なのだろうか。私たちの社会には何が欠けているのだろうか。『日本人の性格』から、ボランティアはしたいけれども時間がない。自分の自由な時間さえも仕事に奪われ、他人のためにその貴重な時間を割く余裕なんてない。また日本人は、自分から何か進んで行動することを苦手としているようだ。ボランティアとは、人から誘われてやるものではなく、自らの意思で積極的に行動するものである。また宗教の違いにも原因があるようだ。無宗教民族といいつつも、常に仏教社会のなかで生活している日本人。やはり、歴史的背景にある仏教の基本原理からか、「因果応報」「お互いさま」が日本人の根本精神として存在している。一方、アメリカでは「神がすべて」というような、自己犠牲してまでも神のために尽くすという根本精神がある。またそれは「他者への愛」の精神も強く、隣人愛などがある。そして、自国の伝統、お互いに個人を尊重しあい、協調しあっているからこそ、地域社会がなりたっている。私たちに欠けているのは、こうした条件、そして隣人とのかかわりではないだろうか。隣人との付き合い、人と人のかかわりがまず地域社会を動かすことになる。
 そのような地域社会のかかわりは非常に大切な役割を果たすことがある。例えば1995年の阪神淡路大震災では、多くの人が瓦礫や崩壊した家の下敷きとなり、行方不明者が続出した。そんな時、「そう言えば、隣のおばあちゃん大丈夫かしら。誰か見た人いない?」と言うような一言が、そのおばあちゃんの一命を取り留めることになるかもしれない。こういったことは、地域社会における人のかかわりによるもので、そのかかわりの中で助け合いができるのは、知識があり、地域社会にかかわっているからである。また、これからは文化圏を越えてのグローバル的なボランティアが必要になってくる。国際間でのボランティアでは、人と人との関わりを発展させ、国と国とのかかわりをもち、知識をもち、お互いを助けるということが必要なのだと思う。
 確かに時間的ゆとりがなくて、ボランティアができないのが現状だが、今すでに私たちの心情にある、助け合いの精神をフル活用して、地域の輪=ボランティアの輪を広げていくことが、必要だと思う。

   講評   nara

 がんばったね。興味のある話題については、どんどん関連書籍にも目を通すように心がけよう。
 キリスト教をベースにした欧米の人たちの考え方、これは、日本とはかなり違いがあるようだ。rainbowさんは、日本の仏教的な考え方は、ボランティアには向かないと思っているのかな? それとも「因果応報」「お互いさま」の意識をボランティアに活かせると思う? ここは、課題長文からの引用だけれど、自分はどう思うのかを2段落ではっきり示しておくといいね。ちなみに、日本では昔「講」と呼ばれる相互扶助の仕組みがあったよ。今も少ないけれど、残っている地域もあるかな。一度調べてみるといいね。
 「すでにある助け合いの精神」がうまく発揮できるために、気持ちだけでなく、システムを整える必要も出てきそうだ。例えば、会社勤めをしていると、会社を休んだり辞めたりしないと、ボランティアができない……そういう話も耳にするね。言い訳のようでもあるけれど、そう言う現実があるのも事実だと思うよ。ボランティアに参加することへの垣根が低くなるように、ハードとソフトの両面から考えていけるといいね。

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