国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心を伝える   ベッカム

 一般に欧米人は、質問に対して「いいえ」と言うときに、教師がビクッとするほど強い調子で答えることが多い。もしや、質問しそこなったのではないかと、こちらが不安になるほどに——。しかし、よく見ていると、「はい」も「いいえ」も、同じように強くはっきりと答えようとしているだけである。わたくしの耳は、その「いいえ」を強すぎると感じたのだった。それは、わたくしたちが、日ごろ「いいえ」をやや控え目に言う習慣が身についているためだと思う。肯定の場合は調子よく「はい!」という人が、否定になると、内容にもよりますが、無意識に声を落としてしまう。
 欧米人のように「いいえ」をはっきり言い、自分の意見をはっきり伝えることが大切だ。たとえば、よく家にかかってくる塾などの誘いの電話で最初にきっぱりと断ればよいのだが、最初に中途半端な返事をしてしまうとどんどん話が進んでしまい、断れなくなってしまう。ほかにも、あまりその場所に行きたくなかったのに、中途半端な答えをして行かなくてはいけなくなってしまうことがある。
 しかし日本人が「いいえ」をはっきり言わないのは、相手に対する思いやりの気持ちが働くからだ。日本人の相手を思いやる気持ちは大切にすべきだ。たとえば、昔話の桃太郎では犬、サル、キジは、本当は鬼ヶ島に行きたくはなかったのかもしれない。しかし、桃太郎があまりキビ団子を勧めるので、しかたなくキビ団子をもらい、それだけもらって帰ってしまうのは申し訳ないと思って断りきれずに鬼が島に行き、そして勝つことが出来たのだと思う。
 確かに相手にはっきりと答えを言うことも、相手の気持ちを考えて中途半端なところで答えを止めておくのも、どちらの方法にも良さがある。しかし一番大切なことは「短いスピーチが長いスピーチよりも難しいのは、言い直しがきかないからである」という名言があるように心をしっかり伝えていくことである。

   講評   nara

 日本人は否定の意志を伝えるときに、声が小さくなるというのは、確かにそうだね。よく「結構です」という言葉が話題になる。相手に対して「ノー」と言うのは、気合を入れないとなかなか難しいね。
 「結構です」という表現を考えてみよう。これは、相手を認める・ほめる場合にも使うし、相手の呼びかけや誘いを断るときにも使う。「結構なお品をちょうだいして」と「私は結構です」では、意味合いが異なるね。勧誘電話に対して、断るつもりで「結構です」と言ったら、それが了解の意味だと(わざと)解釈されて、その気のない申し込み手続きを進められたという話をよく聞く。「結構です」は否定のことばをはっきりとは言わない、日本人らしい表現法なのだね。
 「しかし……」以降がいいね。はっきり「ノー」と言えないことは、マイナスばかりではないという例を、昔話をおもしろく解釈して、示すことができた。ちょっと困った顔をしながら、桃太郎の後をついていく動物たちの姿と、鬼を倒して意気揚揚としている姿を想像すると、笑ってしまうね。こういうことは、普段の生活の中にも見受けられそう。
 「心を伝える」というのは難しいね。単に「イエス・ノー」だけを伝えるのでは、心は伝わらないこともある。相手の気持ちばかりを優先させても、同様。心を伝えるためには、どういうことに気をつければいいのか、考えていけるといいね。

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