国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   お正月   うけあ

 白味噌の中でクリームシチュウのようにまろやかにとける真っ赤な京人参、大根、里芋、丸いおもち、これがおばあちゃんの作る,特製お雑煮だ。日本に正月に帰ってくるのは、これが楽しみで仕方ない。アメリカで試験中の頃から待ちどうしかったご馳走が、私の目の前で輝いた。毎年お正月に宝塚のおばあちゃんは美味しいお節の材料を持って横浜へやってくる。私達は大瀬で除夜の鐘を撞き、急ぎ足で元旦に横浜でおばあちゃんを迎える。豚の生姜焼き、ぼうだら、紅白漬物−お父さんが好きだから、とおばあちゃんはご自慢の関西料理をテーブルに並べる。ああ、日本人で良かった、と私は改めて実感するのだった。
 ご飯を食べる前に、おばあちゃんが私にお祈りをしてと頼んだ。感謝の気持ちで頂こうというおばあちゃんの気持ちが偉いと思った。考えてみると、去年のお正月は大変だった。年末急におばあちゃんの具合が悪くなり、
気がついた頃にはおばあちゃんは腸梗塞で入院していた。私の家族は元旦に伊豆のおばあちゃんの家から新幹線で病院に向かった。ふだんより少しほっそりしたおばあちゃんはいつもの活気が無く、鼻からはチューブがでていた。
今年は家族五人とおばあちゃんでいつものお雑煮を食べられて幸せだと私は思った。
 休み事に日本へ帰ると、子供の頃に戻った気がする。おなじみの料理、匂い、ピ−ンポーンという音と共にあわただしくお店とおかってを行き来するおばあちゃん。お年玉に百人一首。毎年年が明けてから必死になって書く家族写真付きの年賀状。でも気が付くと、背のバラバラだった家族写真はいつのまにかほぼならんでいる。おじいちゃんもおばあちゃんも少しずつ病院へ通う回数が増えてきた。お母さんは時を少しでもずらそうと必死で色々な体にいいものをほりだしてはおばあちゃん、おじいちゃんにくばっている。
 お正月は楽しいけど、人間に時の経過を実感させる。それは自然なことで、良いことも沢山あり、受止めなければならない事。でもじりじりと押し寄せてくるものを、私は夢中で否定している。おじいちゃんは今入院していて、お母さんは先生と話した事をおじいちゃんにいっていないけど、おじいちゃんはきっともう分かっている。楽しい、当たり前のような事も、感謝しなきゃいけない、大切にしようと思う。

   講評   nane

 書き出しがうまい。このようにビジュアルに書き出すと、読み手も興味を持って読むことができる。ほのぼのとしたお正月の光景。おばあちゃん、今年は元気になってよかったね。
 途中で昔を回想する段落にしたところで、内容に変化が出ている。600字から1200字の文章では、このように話題を変えて立体的にしておくことが大事。
 結びの一般化もよく書けた。高校生以上の人が書く文章は、作文的な題名であっても、常にこのように大きくまとめていくことが必要になる。
 ずっとアメリカにいたとは思えない文章だね。これぐらい書ければ充分。あとは、堅いテーマの場合にも、それにふさわしい語彙で書く練習をすることかな。次回から、その練習をしていく予定。
▲待ち遠しい。(まちどおしい)▲身内の場合は、祖母、父、母と書く方がいいですよ。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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