創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   格好   ベッカム

 一流ホテルの、いかにも「一流でござい」というロビーに、たいていこうした男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいかわからない客がいると考え、ホテル側があらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼んで用意しておく場合が多いからである。当然、経費もかかるが、ロビーを利用する客にランクの最上位にある「待ちあわせ場所」としてふさわしい体験をしてもらうことはホテル側としても望ましいことであるし、これにはちょっとした教育効果もある。つまり、彼等があまり傍若無人な振る舞いに及ぶと、ボーイが近づいて行って「周囲のお客様が迷惑をいたしますから」と、それとなく注意をするのを見かけるであろう。あれは、そうすることによって「周囲の客」の方が、「ははあ、ホテルのロビーであんなことをしてはいけないんだな」と学ぶことを、期待しているのである。
 確かに自分らしさは大切だ。昔話の一寸法師でも、お椀の船に乗り、お箸で舟を漕いでそして鬼のいるところに到着し、そして自分の小ささを生かして鬼のお腹の中に入り込み自分の刀で突付き鬼を倒した。この話でもしも一寸法師が普通の人のように真正面から戦おうとしたら負けて殺されてしまったと思う。それに自分らしさを生かせば何も考えずに普通に生活することが出来る。たとえば卒業式などで特別な服を着るとなんとなく自分に似合っているのかなとか、なんだか苦しいなあなどと思ってしまう。しかし普通のいつも着ているような服なら何も考えずに普通に着ることが出来る。僕も一回寝る前に着るような服を着て横浜に行ったことがある。とても歩きやすかったし楽だった。(恥ずかしかったが……。)(意見)
 しかし特別な時に、特別なその場に応じた対応することも大切だ。例えば、お葬式のときに赤い服を着ていく人はいない。僕もお葬式の時には黒い服を着ていった。赤い服や派手な服を着ていくとその場の雰囲気にも合わないし、亡くなった方にも失礼だと思う。昔話の赤ずきんちゃんもおばあちゃんのお見舞いに行くときには、しっかりとお花を摘んでいった。僕の母親も普段は何とも言えない格好をしているけれど、外食に行くときやカラオケに行くときはしっかりとした格好をしていく。
 自分らしさを生かすのも、特別な時にその場に応じた対応をしていくのも、どちらも大切だ。しかし一番大切なことは、「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである」という名言があるように、雑草のようにまだ見つけられていないとても良いものがあるのかもしれないので、それを見つけることだ。僕もそれを見つけるために母親にいろいろな物を買ってもらってそれを見つけていきたいと思う。

   講評   nara

 お、1が4つも並んだ! 字数キッチリもいいけれど、これもまたいいなぁ。不作為だと単純にうれしいし、作為的にやったのであれば、その技に感心。(こういうところばかり気にしてはイカンのかも。←私)
 今回の長文筆者の書く文章は、どこかひねくれているね。しかし、そのひねくれ度がおもしろくもある。こんな角度で見ることができるのか、と思わせてくれるね。文庫や新書も出ているから、読んでみるといいよ。
 そして、今回の作文は、この筆者の影響が出たのか(?)、ベッカム君としてはおもしろい落としどころで、全体を締めくくったのだね。「母にいろいろな物を買ってもらって」というまとめには、笑ってしまったよ。そうね、いろいろなものがないと、試すこともできないからね。お母さんがこの作文に納得してくれれば、ベッカム君の望みもかなうだろうな。
 2つの角度からの意見は、いつもながらよくまとめてある。昔話の引用もそれぞれにきっちり組み込めたね。「自分らしく」も「場に応じた」も、どちらも可能なのは、外側(服)は着脱可能だからだ。着脱可能なのに、特別な場でそれをやらないということは、場や空気を読む力がないと判断されることになる。他者と場や空気を共有するための心遣いが、服装に表れると考えることもできそうだね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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