国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   個性のつかいわけ   ひろりん

 一流ホテルの、いかにも「一流でござい」というロビーに、騒がしい男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいかわからない客がいると考え、ホテル側があらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼んで用意しておく場合が多いからである。当然、経費もかかるが、これにはちょっとした教育効果もある。つまり、彼らがあまり傍若無人な振る舞いに及ぶと、ボーイが近づいて行って「周囲のお客様が迷惑をいたしますから」と、それとなく注意をするのを見かけるであろう。あれは、そうすることによって「周囲の客」の方が、「ははあ、ホテルのロビーであんなことをしてはいけないんだな」と学ぶことを期待しているのである。
 確かに、独自の個性は大事、と言う意見もある。たとえば、最近「カリスマ」という言葉をよく聞く。「カリスマ」とは、何の分野でも、自分の個性を突っ走って、その道で尊敬されるような人のことを指す。美容師や、メイクアーティスト、デザイナーなどがよく聞こえてくる分野である。他にも、ダンサーや強い指導力を持った人もそう呼ばれてくるからたくさんの「カリスマ」と呼ばれる人たちがいるだろう。そういう人たちは、「一般的」なものを目指すのではなくて、自分独自の、または自分の個性を生かした技ややり方を作っていくからそう呼ばれているのだ。自分独自の個性を貫いているから、人はカッコイイと思うし、尊敬する。その「カリスマ」にとっても、自分を貫いている時間はとても楽しいだろう。「自分独自」を貫くのはとても大切なことだし、人生を楽しむ手段でもある。名言でも、「他人から尊重されるためには、まず自分で自分を尊重できなければならない」と言う言葉がある。
 しかし、独自の個性を抑え、時には「きちんと」することも必要である、と言う意見もある。例えばお葬式のときに、自分が好きだからと言って赤やピンクの服を着ていったら、失礼極まりない。他の人は喪服を着て悲しい雰囲気なのに、亡くなった人をバカにしてるのか、と言いたくなる。やはりお葬式には、黒い服か喪服を着るのが常識でもあるし、亡くなった人や家族に対しての礼儀である。また、結婚式などでも同じだ。「自分が好きだから」というのは独自の個性だから、それを自分でしっかり持っているのはとてもいいことだ。しかし、だからといってお葬式や結婚式に着ていくのは失礼である。つまり、何かの式など、ちゃんと改まった場で自分の個性を出してしまうのは、逆にあまりよくないことなのだ。昔話といったらヘンだが、「シンデレラ」で、主人公が汚い服のまま舞踏会にいっていたら、それこそ舞踏会の他のお客にとってはとても失礼なことだっただろう。 確かに、「自分独自」の個性を貫いていくことは大切なことである。前にも述べたが、それは人生を楽しむための手段でもあるからだ。しかし、それにも「場」というものがある。今どういう場面なのかを考え、時には自分の個性を抑えなければいけない。でなければ他の人の迷惑になってしまうし、個性を出すことによっていやな気分にさせてしまう。だから、今がどういう場面なのかを考えること、つまり個性の使い分けが重要である。

   講評   yuka

今回は、これといった大きな主題があるというよりも、
この長文を読んで、何を感じ取るか、がテーマになるといえるかも
しれないね。

「独自の個性」というのがひろこちゃんの感想文の中のキーワード
になっているようだけれど、なぜそれが出てきたのかがちょっと
分かりにくかった。
第2段落の冒頭にこの言葉が出てくるので、その導入部は要約となる
第1段落。でも、第1段落には「個性」について触れている部分が
あまり見当たらないね。

第3段落と第2段落を逆にすると、ひろこちゃんが言わんとしている
ことが分かりやすくなるかも。

場にふさわしい振る舞いや人格が備わっていることが前提条件で、
その上で他人が心ひかれる個性を放つことにより、さらに評価を
あげることができる、という流れで構成を組むと、よりひろこちゃん
の主張が読み手に伝わりやすくなるのではないでしょうか。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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