国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2566 今日1980 合計4546
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   あの空き地を忘れない   海亀航

 私の家は自動車がやっと通れるぐらいの路地に面している。都会にはめずらしく舗装されていず、道端には草が生えていた。主婦もバス停に行く人もおじいさんも、散歩中の犬とおくさんも大喜びで回り道をして通っていった。私自身もコンクリートにあきあきしていて、道端に草が生えている風景を心ひそかに楽しんでいた。町中の雑草に対する人間の態度は時と場所によってさまざまである。(要約)
 僕の家の近くに、新しい家が何軒も集まって建っている場所がある。以前そこは、かなり大きな空き地で、近くに友達の家があったのでその空き地でよく遊んでいた。そこには色々な種類の雑草が生えていて、主に僕達は草を使った遊びをしていた。そのうちの一つは、シロツメグサを使って輪を作ることから始まる。それから木の枝を地面にさしてその輪を投げる、「輪投げ」である。僕は、その遊びは苦手だったけれど、友達は上手にやっていたことを覚えている。他にも草の中に小さいボールを隠してみんなで探すこともした。草のかげに隠すと見つけにくくて、それが面白くてますます見つからないように工夫した。でも、もうそこには家がたっている。その家を見るたびに僕はその空き地が思い出される…。
 僕は、一昨年の夏休みに学校の草刈に参加した。僕はそのとき四年生だったので、草刈程度しかやらしてもらえなかったのだ。僕達が草を刈る場所は、校庭の西側の木が多めに植えてあるところで、雑草がしげっていた。最初見たとき、やる気が無くなるぐらい生えていた。しかし仕方なく先生の言う通り、一つ一つ根っこまでとっていく。最初聞いた時は簡単そうに思えたが、なかなか難しい。やっと緑色一色の草を十個くらい抜き終わると、日光が当たっているところに一つだけぽつんと「ビオラ」がさいていた。周りは緑一色の草なのに、紫と黄色の花が一つだけ咲いていて、まるで王女のようだった。僕は少し見ていた後、周りの草をぬいた。「ビオラ」の花はきれいだったのでぬかないでとっておいた。そしてみんなと一緒にやった草刈も終わろうとした時、急に「ビオラ」の花が気になって見に行った。するとなぜかそこに花がない。どこへいったんだろうとあたりを見渡すと、集めた草を入れるごみ袋の中に入っている。まったくだれがあんなことしたんだろうと、僕は頭の中でイライラした。でも、怒っても仕方がないと思ったので草刈を続けるしかなかった。今思い出しても、きれいな花をぬいてしまうなんて僕には理解できない…と頭の中で思う。
 人間にとって自然とは、山にある大きな森林だけをいうものではない。道端にひっそり咲いている花や自分の家の花壇、そこらに生えている雑草だって自然なのだ。僕は、大きな自然だけではなく小さな自然も、見ているだけで心が和むと思う。それから、今地球温暖化などといわれているが、森や林を作る前に身近な花への思いやりというものを持っていきたいと思う。たくさんの人にもそんな気持ちを持ってほしい。そう、僕のあのビオラが消えてしまった時と同じ気持ちにならないように…。

   講評   ima

第一段落の内容はとてもよく書けています。
第二段落で「シロツメグサを使って輪を作ることから始まる。」とてもなつかしいですね。先生のこどものころ、空き地や、裏山、田んぼに行ったことが思い出されます。心地よく、読み応えのある文が書けましたね。
「草の中に小さいボールを隠してみんなで探すこともした。草のかげに隠すと見つけにくくて、それが面白くてますます見つからないように工夫した。」は目に浮かぶようです。うまいです。
第三段落で「周りは緑一色の草なのに、紫と黄色の花が一つだけ咲いていて、まるで王女のようだった。」
まるでを使うのは、難しいように思いますが、自然な形で文の中に取り込めました。
第四段落の意見は、一番大切なことですね。小さな自然について忘れかけていますね。たくさんの人にもそんな気持ちを持ってほしいという意見はすばらしいです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)