国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   舞台と客席の壁   はるる

 演ずる者と見る者、つまり演じられている舞台とそれに鑑賞する観客とを空間的に分離すること、そういう制度になれてしまうと、大相撲とか歌舞伎の楽しみかたにはじめはとまどう。けれども現代のコンサートだって、もともとは人々でなんとなくざわついている宮廷の庭や居間で、あるいは街の芝居小屋や路上で、催しとして行われていたわけで、必ずしも純粋な鑑賞の対象であったわけではない。私は演奏者や役者と観客を分離しないような形態にしていくべきだと思う。
 そのための第一の方法は、コンサートにも歌舞伎のように花道のようなものを作ることである。日本の歌舞伎は、今世界から注目されているそうだ。歌舞伎には、現代にはもうあまり残っていない、役者と観客との交流がある。その代表が花道や大向こうだ。花道とは、客席と舞台をつなぐ廊下みたいなもの。大向こうとは、客席から役者を励ましたり歓迎したりする時に叫ぶ言葉だ。どちらもコンサートではお目にかからないものだと思う。舞台と客席に壁を作られるとつい眠くなってしまうものではないのだろうか。もしこのような工夫をコンサートでもすれば、私たちは更に音楽を楽しんで聴けるようになると思う。
 第二の方法は今のコンサートに対する価値観を変えることだ。コンサートは静かに聴くもの。いつの間にかそのような暗黙のルールが作られてしまった。音楽を集中して鑑賞する、これが現代では当たり前なのだ。けれどもコンサートで聴く音楽よりも、遊園地や街中で奏でられている音楽の方に私はつい惹かれてしまう。それはなぜだろうか。とはいえ、昔のコンサートでもいかにして居眠りしている者を起こすか、ということをハイドンなど有名な音楽家が考えていたというのだから、いつの時代にも居眠り者はいたらしい。(伝記実例)
 確かにある程度の壁は、舞台と客席に必要だと思う。しかしあまりにその壁が厚すぎると、私たちは音楽との隔たりを考えた以上に感じてしまうのではないだろうか。「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態にあわせて規則を変えていくことが真に規則を生かす道である。」という言葉もある。今ある規則をそのまま貫こうというよりも、時代のニーズに合わせて形を変えることが重要だと思う。例えば、歌舞伎にも新しく「スーパー歌舞伎」というものができたらしい。このようにして、クラシックコンサートにも新しい形が生まれたら、また違ったクラシックファンができるのではないだろうか。

   講評   sugi

 一気に(!)三作品を書いたにもかかわらず、なかなか充実した立派な作品ぞろいで、感心していますよ! 電話でお話したときにすらすらと考えが浮かんでいたので、この作品は特に楽しみにしていました。
 最近勉強した歌舞伎の話を、うまく生かすことができたね。読書はもちろん、いろいろな機会にたくさんの情報を蓄えておくことで作品に表現できるものが増えていくので、いつも情報収集のアンテナを張っておこう。
 方法を二つ考えるのは、結構難しい作業だね。この作品の場合、一つ目の方法は、「コンサートにも歌舞伎の花道のようなものを作る」という範囲の狭い具体的なもの、二つ目の方法は「コンサートに対する価値観を変える」という範囲が広くかつ抽象的なものだね。一つ目の理由は二つ目の理由の中に含まれてしまうかもしれないよ。だから、たとえば二つ目の理由を、「コンサートは静かに聴くものという常識を打ち破ることだ。」とすると一つ目の理由との違いがはっきりすると思います。
 最後の段落は、文句なく上手に書けていますよ!


それに鑑賞する観客 → それを鑑賞する観客

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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