国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   これからの環境を考える   ケミカル

今、地球は非常に危険な状態にある。僕の住んでいる横浜もそうだ。危険な状態の代表に環境問題というのが挙げられる。しかし私達は、環境問題、環境問題と言いながら、実際何も知らないことが多い。地球温暖化、酸性雨、そしてオゾン層破壊。「オゾン層が破壊されると温暖化が進むの?」「二酸化炭素がオゾン層を破壊するの?」と知らないことが多い。もちろん、その仕組みについて知っている人も少なくはない。僕の学校にB・E・Sという環境問題について考える委員会がある。その委員の人達は環境破壊に詳しいことだろう。しかしそういう人達が世界中にいても、なかなか環境は良くならない。では、どうすれば環境破壊を防ぐことができるのだろうか。
 そのためにはまず、環境問題について知ることから始めるべきだと思う。今回はオゾン層の破壊について考えてみたい。ここからは、化学的な考え方なので時々難しい言葉が出てくるが、できるだけわかりやすく説明するので御了承願いたい。
 まずオゾン層とは、という所から始めよう。オゾン層とは、太陽からの紫外線をカットしてくれる役割を持っていて、ヒトがもし紫外線を浴びると、白内障や皮膚の老化につながり、体に悪い影響をもたらす。オゾン層とはO3で、不安定な状態なので、そこに何かが飛び込んでくるとオゾンは破壊されてしまう。
 私達はよくスプレーを使う。そして冷蔵庫・自動販売機・エアコンも使う。昔は都会のオフィス街でしかなかった物が、交通の発展によりインターチェンジの自動販売機。車、航空機のエアコン。車の窓拭きのスプレー。これらにはすべて、フロンが使われている。そして、フロンはヒトには無害である。
 しかしフロンはオゾンに害を及ぼすことがわかっている。私達の身の回りで使われたフロンは、どんどん空へ上がっていく。そして、上空で紫外線によってフロンは塩素原子に分解する。塩素原子はラジカルと言って、とても不安定な状態にあり、他の物質とくっつきたがる性質がある。オゾンも不安定なので、塩素原子とオゾンがくっつき、一酸化塩素と酸素分子が生成される。これでオゾンが破壊される。しかし、オゾンの破壊はここからが凄いのだ。生成された一酸化塩素はまだ不安定なので今度は大気中に浮いている酸素原子とくっつき酸素分子と塩素原子が出きる。あらら。また塩素原子が出てきてしまった。これではこの反応が繰り返されてオゾンが減り、酸素分子ばかりができてしまう。こうしてオゾンは破壊されていくのだ。
 ではどうすればオゾン層の破壊を防げるのだろうか。1977年から世界では国際環境計画でフロン問題が議論されるようにり、世界は協力してこの課題に取り組んでいる。しかし、後の祭である。フロンが大気中に排出されたら10年ぐらいは反応が続き、オゾン層は破壊され続けるのだ。
 そこで新たな案を考えてみよう。フロンをなくせばいいのではないか。私達が使っているフロンを100パーセント使わなければいいのだ。そうすれば、大気中のフロンが増えることはない。しかし、重要なことを忘れてはならない。もしフロンがなくなったら、ということだ。フロンは前にも述べた通り、エアコンやスプレーに使われている。フロンがなくなってしまったら、現代生活に慣れきってしまった私達は、これまでの現代生活とは全く違った生活をすることになるだろう。スポーツをして、何か冷たい物が欲しいな~と思っても、生ぬるい飲み物しか出てこない。真夏の暑い日に密室のような会社の中でエアコンもつけずにいたら、集中できない。買ってきた肉や魚も冷蔵庫で保存できない。これではいけない。また、別の方法を考えなければ。ここで登場するのがフロン代替化合物である。これはフロンではない、また違う物質をフロンの代わりに使うことである。その条件として、フロンによく似た性質を持ち、環境に影響が少ないこと、合成が容易なこと等が挙げられる。しかし、この物質は今、開発中で日々研究が進められて、実用化には至っていない。
 このようにオゾンを簡単にまとめただけでも、これだけの問題が発生してくる。私達は今まで、環境問題を防ぐためにポイ捨て禁止やアイドリングストップを進めてきたが、私達も環境破壊をしたことは、一度はあると思う。だからこれからは、環境破壊の実態を口で言うのではなく、環境を破壊しないような車や、身の回りのものを発明していく、「行動に移す」ということが大事なのではないかと僕は思う。

   講評   nato

化学的な見地からの環境問題に関する作文、なかなか面白かったです。随分大作になりましたね。環境問題の防止策としてまず「問題を知ることの大切さ」を訴え、特にオゾン層破壊について焦点をを当てて書き始めたことが問題点を絞れてよかったと思います。また、三、四、五段落目は一、二段落目を受けてオゾンの性質から破壊されるまでのメカニズムを、素人にもよく分かるようにうまく説明できました。六、七段落目は更にその解決手段の模索とフロン代替化合物への言及そしてまとめとして八段落目では客観視だけでなく主体性を持った行動への呼びかけと、段落もこのように起承転結が明確に展開し読み手にとっても分かりやすい構成でした。また、表現も全体的に歯切れがいい上に、化学的な考察の中にうまく自身の主観的な意見を織り交ぜていくことが出来ているところがよかったと思います。もしも、欲を言うとすれば、結に当たる八段落目がやや少なめかもしれないのと、できれば一段落目と呼応させる工夫があれば、更に質の高い文になっていたと思います。例えばですが起の部分で折角「知ることの大切さ」を述べたので、それに呼応させて『環境問題を知ろうとする努力を皆が惜しまないと共に、不言実行という名言にもあるように、環境問題の深刻さのみに注視するだけでなく、環境問題を解決する手立てになりそうなことは、たとえ些細なことでも、直ちに行動に移していく実行力も伴わなければ、真に環境問題を解決していくことにはならないと思う。』など、いろいろと発展させることが出来そうですよ。これからもこの調子で頑張ってくださいね。

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