創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私なりの島の法則   キティ

私なりの島の法則
 島に住む動物と大陸に住む動物とでは、体の大きさが違う。ネズミやウサギのような小形のものを比べると、こちらは島のほうが大陸より、ずっと大きい。島は捕食者のすくない環境である。
 しばらくアメリカの大学で過ごす機会を得た作者は、あちらの教授陣におどろいた。中にはおそれいるばかりの偉人がいて、これでは太刀打ちできないなと、すっかり思い知らされたが、一歩大学の外に出ると、スーパーのレジにしても自動車修理工にしても、あきれるほど対応がのろいし不適切。一般の日本人の有能さに、いまさらながら気づかされた。日本という島国では、エリートのスケールは小さくなり、ずばぬけた偉人とよびうる人物は出て来にくい。逆に小さい方、つまり庶民のスケールは大きくなり、知的レベルはきわめて高くなる。
 『島の法則』を読むうちに、私は『島』と『大陸』の違いとは何なのだろう?と思いはじめた。宇宙から見れば、大きな大陸も地球にぷっかりと浮かぶ茶色い島だ。五つの『大陸』は大きな大きな島というわけだ。私は大陸に住んでいる。作者は日本よりさらに小さな島に住んで、大思想を持たない幸せとともに、いくばくかの劣等感を日々味わっているそうだが、そう思う必要はない。『島』と『大陸』のそれぞれの先入観抜きで考えるため、『大きな島(大陸)』と『小さな島』ということで考えていきたいと思う。私なりの島の法則は、次のとおりである。
 小さな島には、敵がいないからのびのびと暮らせるが、マイナスの面もかなりある。島に住んでいると、敵が攻め込んで来る危険性は低い。そう思い込んで油断していると、ある日突然敵に攻められてお手上げだ。おまけに戦争で国がボロボロになったとしてもだれも助けてくれないのだ。また、小さな島に住んでいると自国の言葉のみで用件は済まされる。他の言葉を必要としなくなるので、学習しようという気持ちがなくなる。
 大きな島(大陸)は、他の国もひしめき合う、まるで大きなマンションのようだ。助け合うことができるし、他国の文化などを知ることもできる。旅行の時などいろいろな所へ車でひょいっと行けたりする。
マイナスの面は、お互い国境を接しているので弱みを見せられない。自由に暮らせない。他国が明日には本当に攻めてくるかもしれないという心配が常につきまとう。
 なぜ大きな島(大陸)ではエリートが多いのだろう?
 今日の新聞に、アメリカのビル・ゲイツは九年連続で世界一のお金持ちとして認められた、と書いてあった。私は、どんな場合でも欧米に超エリートが生まれるのはただの偶然ではないと思っている。子供の頃から、『超エリートとして生きる』ことを選択することができるのだ。答えは簡単。本当に勉強が好きな人たちだけが大学へ進学しているのだ。本気で研究したり、勉強しているので、ぐんぐん研究成果が上がる。十歳の時に自分はどのようなコースを選ぶのかを決める。欧米には、まだはっきりとした階級意識が残っており、貧富の差も激しい。完全なピラミッド階級(三角形)だ。この一握りの頂点に、あのビル・ゲイツが座っているのだ。
 日本の場合、約四十%の人が大学に行く。この数字は世界的にみても高い水準だと思う。しかし、この中で果たして何割が本当に勉強が好きで進学しているのか?日本のピラミッド階級を形にするなら、ズバリ台形だ。上がエリートで、下が普通の一般庶民になるわけだが、一握りの『頂点』の部分は、ない。エリートも庶民もあまり差がない状態で混ざり合っているということになる。
 このことから私は、偉人(天才)の出現は『島の法則』が当てはまるというよりか、その国の教育システムの工夫次第と言えると思う。また、私たち自身がとがった三角形の頂点になることだってできる。【日本という島国では、エリートのスケールは小さく、ずばぬけた偉人は出て来にくい。】という出来上がった法則をぶっ飛ばすことだってできるのだ。
 私は小さな島にも大きな島(大陸)(書き出しの結び)にも、便利・不便なことがあることが分かった。 私は将来、どちらに住むか迷わないでいい、簡単な方法を見つけた。それは宇宙に住んで自分の星を作ることだ。だがそれが成功しなかったら、自分だけの島を地球のどこかに作るとするか。名付けて『マリアイランド』だ。私はゆっくり気楽に戦うこともなく、気ままに生きていけたらと思う。

   講評   yuu



☆要約がおよそ330字ですね。これを200字程度にしぼりこめるようにがんばってみましょう。
☆全体の字数ですが、『要約250字』+『本文1200字』くらいにしてみると、うまく1500字程度におさまりますね。

 しかしながら、論旨に無駄がないので、現在の字数を削ることや文を削除するのは非常にもったいないですね。一番簡単なのは、どこかの段落をまるごと一つ削ってしまうこと。でもどの段落を見ても、どの文をとってみても良いものばかりなので、そう安易(あんい・簡単)な解決法に走るのはおすすめできません。少々面倒な作業になり大変だと思いますが、一文一文をよく読みなおし文をコンパクトにすることが正解です。大変さはよく分かります。でもあきらめずにチャレンジしてみてください。


 

 毎週「書き出しの結び」がしっかりとできていますね。すばらしい。最初から最後まで本線をそれることなく、一つの題材を丁寧に扱ってくれていることの表れです!
 
 島国と大陸の違いを教育問題に発展して考察してくれていますね。その発想力がさすがマリアちゃんです。戦争時代は教育よりも軍事に力を注ぐ(そそぐ)国がほとんどでした。日本も例外ではありません。「自分のために」とか「家族のために」と考えるよりも、「国のために」という意識を誰もが強く持っていた時代です。そして平和で豊かな現代では軍事にかわり教育が大問題としてとりあげられています。みんなの教育水準を上げようと国が(政府が)取り組んだ対策が「義務教育」なのです。しかしこれはみんなのために考えられたものであり、ある特定の人(エリート)のためのものではありませんでした。勉強したい、研究したいと望む熱意の有無にかかわらず、一様に皆に与えられた教育の一環(いっかん)ですね。数学の学者になるかもしれないほどの才能を持った人も、国語を勉強をしたり作文を書いたりしなければならないのです(笑)。
 マリアちゃんが考察してくれる「島国」・「大陸」には実感が伴っていて、ずばりと真理を言い当ててくれています。大事にしたい作文ですね。
                    

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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