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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   先の先   E34

 そういう「定着文化」というか、うごかないことがよしとされる日本で育ったわたしは、長じてアラビアでのフィールドワークをするようになったとき、そうではない文化、「移動文化」ともいえるものにぶつかり、ある種のショックを受けた。そう、日本は“定着”である反面、アラビアは“移動”と全く文化が逆なのである。私的には、日本の定着文化が良いと思うが、これからの(社会を見据えると、移動文化のほうが良いのかもしれない。なぜなら今現在、定着文化を謳っている国が少なくなっているからだ。では、定着文化を打破して移動文化へ変換させるにはどうすれば良いのだろうか? その対策は二つある。
 第一に、定着文化と移動文化のメリット・デメリットを考え直すことである。私が考える定着文化のメリット、それは「長い付き合いができる」ということだ。日本人は割と“義理”を大事にするというか、付き合いをとても大切にするのだ。そうであるが故に、付き合いが終わった後の対応がとても難しくなってしまう。それに反して“移動文化”であれば、転々すれば良いのだから、気を遣わずにすむ(そういう問題じゃないか…)。
 第二に、社会のあり方を見直すことである。現在の日本では、一番偉い人が潰れてしまっても下の人たちでやっていける。これはなぜかというと「本当に上の人が下の人を引っ張れていない」という事になるのではないだろうか??? 少なくとも、今現在の小泉政権が終わったとしても、何とかなってしまうだろう。これがアメリカともなると話は別である。本格的な社会改革を行い、社会をイチから立て直すくらいの勢いでくるだろう。このように、日本国は重いものを引きずることを嫌っているようである。街中にある店で、正社員よりもパートやバイトの人数が多いのもそのためである。もし潰れてしまった時に、正社員であれば保障しなければならないことも、パートやバイトでは保障しなくても良いのだから…。
 日本では、会社を転々とさせていることを公に履歴書などに書き込むと、かなり悪い印象を与えることが数多くある。しかし、アメリカではそういった人の方が好まれるのだ。これはやはり“定着”と“移動”の文化の差でしかないであろう。日本人は義理などにより、長い間付き合うことも数多くあるが、飽きてしまったりして、惰性で付き合っている面も数多く見受けられる。その代わりアメリカなどでは、短期間でしか付き合わないかもしれないが、その短い間にとても深く付き合うことをしているのだ。そして、長く付き合いたい会社とは長く付き合うのだ。アメリカ文化が成功しているのはそこにもあるかもしれない。人間は目先の事だけに重点を置いてしまうことがよくあるが、本当に大切なことは先の先を見据えることである。

   講評   jun

 一つ目の対策に書かれている「“移動文化”であれば、転々すれば良いのだから、気を遣わずにすむ」という部分は納得できますよ。お父さんの仕事の関係で転校を繰り返さなければならなかった友人が気楽だったと言うのを聞いて最初は驚きましたが、よく考えてみると確かに気楽だったかもしれないと思えます。前向きとは言えないかもしれませんが、そんな気楽さもときには大切でしょう。
 履歴書の話もそのとおり。これはやはり“定着”と“移動”の文化の差と言えるでしょう。一つのところに長くいるということ自体が悪いわけではありませんが、どのような根拠でそうしているのかが問題ですね。先の先を見据え、自分を高めていくことを考えて自分の意志で動くこと(動かないこと)が大切だと言えそうだね。

     

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