総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。 ＡＩ時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。 ▶ 創造発表クラスのご案内

昨日2259 今日235 合計5107□

　　　さようなら久留美ちゃん　　　うすも

　「今日、遊べる？」
「うん。多分遊べると思うよ。」
　私は、久留美ちゃんが、日本に本帰国すると聞いてから、何故かとても仲良くなりました。
　上海日本人学校は、とても転出入が多いのです。なので、多くのお友達が帰ってしまって悲しいと思ったら、今度はとても多くの子が転入してくれるので、またすぐに友達ができるのです。
　私は、久留美ちゃんの第一印象は、とてもしっかりしていて、とても頭のいい子だと思っていました。それは本当でした。しかし久留美ちゃんは、とても面白い子ということに気がついたのです。だから、話しやすくなり、仲良くなれたのだと思いました。
　春休み、私は二回ぐらい久留美ちゃんと遊びました。一回目は、私の家で、もう一人の友達（その子も転校してしまう子）もさそって遊びました。そして、タクシーの中で、久留美ちゃんの、《紗帆観察記》（私を見て変わってると思ったこと）を話してくれました。その話を聞いて、私の母は、大笑い！私も笑いながら、久留美ちゃんはそんなに私のことを見ていたなんて．．．。と思いました。二回目は、一緒にお昼ご飯を食べました。そのとき、久留美ちゃんのお母さんも、とても面白いということに、気がつきました。なので、久留美ちゃんと、久留美ちゃんのお母さんとの会話も、二人の面白さが倍になってお腹が痛くなり、背中までいたくなるほど私は、笑いました。そして見送りの日、久留美ちゃんが、定規をくれました。
「これで線を引いて手紙を送ってね！」
と。私は、あまり意味が分からなかったけれど、
「うん。」
と言いました。その後に、久留美ちゃんは、こういいました。
「文通しようね！メールでもいいけれど．．．。」
と言ってくれました。そのとき、私の心に、まるで雨がやんで虹がかかったような気分でした。
「うん！」

　　　講評　　　kira

　 紗帆ちゃん、こんにちは。さみしいお別れをとびっきりの笑顔の思い出にした、すてきな作文ですね。
　転校が決まってから、なぜがとっても仲良くなったのね。きっと、それはずっと 紗帆 ちゃんと久留美ちゃんがお互いに「いいお友達だなあ」と思いながら過ごしてきたせいだね。久留美ちゃんの、《紗帆観察記》のお話を聞くにつけても、そう思います。
　何かのきっかけで話がはずんで、心の中をのぞいていくことが出来るんだね。人を心から笑わせることのできる久留美ちゃんは、きっと心の優しい女の子ですね。
　久留美ちゃんとの、お別れの会話もいいなあ。「文通しようね」と言われたときの 紗帆 ちゃんの心の描写が、美しいね。「うん！」という返事で終わっているところもいいなあ。
　　　　　　　　　　　　　　
　文通は始まってるのかしら。メールの時代ですが、紙に書いたお手紙をもらうのはとてもうれしいものですよね。先生は文字を見るとあったかいと思うんです。
　
　作文はとてもよく書けています。書き方のルールがあって、「ただし書き」をつけると◎になる部分があります。紹介しましね。
【構成】作文の書き出しの工夫が評価対象。作文の「今日、遊べる？」 の後に（書き出しのくふう）と入れておきましょう。
【題材】自分の体験が書けたらOKです。作文のどこかに（体験）と入れておきましょう。
【主題】わかったこと、を書ければOKです。作文の「うん！」のあとに（わかったこと）と入れておきましょう。