国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の本当の目標   キティ

私の本当の目標
 私の第一の目標は私のお兄ちゃんをやっつけることだ。
 私のお兄ちゃんはいつも私のことをたたいたり、いじめたりする。私が普通にしていても突然たたいたりする。他にも私の髪の毛がいつもボサボサだとか、好きでもない歌を何度も歌ったり、集中して勉強をしているのに、横でゲームをしたりする。仕返しをしようとすると、いつもやられる。どんなに強くたたいてもいつも最後に笑うのはお兄ちゃんだ。お兄ちゃんにけがをさせたら二倍、いや二十倍の強さで返ってくる。一度でいいからお兄ちゃんが私の前で、
「ごめんなさ〜い。もう二度としませ〜ん。マリア様〜。」
と言って泣きながらあやまる姿を見てみたい。
 やっつけるには力がいる。力をつけるには、やはり柔道だと思う。かっこいい技でお兄ちゃんを投げ飛ばしたらスッとすることだろう。だが柔道教室といったら家から二十キロメートル離れた場所にあるだけだ。柔道着を着て畳の上に堂々と立っている人に私は昔からあこがれていた。汗水たらし、けがをしてでもどうしても習いたい。柔道が完璧にできたら学校のヒーローになれるかもしれない・・・。警察もののドラマなどで、犯人を柔道の技でやっつけているシーンを見たことがある。その時から柔道を習うとあんなに強くなれるのか〜♪と思っていた。
「作文教室は続けていいけど、柔道はダメよ〜。きっと柔道教室の方がお月謝高いに決まっているんだし〜。」
と、お母さんは言う。 もし私がだれかに襲われたらどうするの〜!そんな時作文なんて書いてたって助からない。そういう時にこそ、柔道の業がバシッと役に立つに違いないのだ。
 お兄ちゃん、お姉ちゃんを一度でもいいからやっつけたいという人たちはきっとたくさんいるだろう。そういう人は、一対どうしているのだろう?
 私のお父さんは四人きょうだいだ。お父さんはきょうだいの中の一番上だ。お父さんとすぐ下の妹とはいつもケンカをしていて仲が悪い。とても年が近くて私とお兄ちゃんとまるでそっくりだ。たいがい年の近い男と女のきょうだいは仲が悪いといわれている。意見が合わないからだろうな。
 お母さんに聞いてみても残念ながらお母さんは一人っ子だから私の悩みなど分からない。
「かわいそうにねぇ。でもこればっかりは相談にのれないわねぇ。一人っ子は最高だよ。そんな悩みもなくのんびり暮らせたからねぇ。」
といつも幸せそうだ。
 もしかしたら私の弟も私をやっつけるのを目標にしているかもしれない。そういえばこの頃弟のことよくいじめているしな。 私は力ではかなわないお兄ちゃんに別の方法で勝ったりしている。たとえば勉強だ。テストは絶対に負けたくないと思って頑張っている。いつもいつもは勝てないが、たまに英語やドイツ語でいい成績を取れた時は、家族で食事をしている時にわざとテストを出して思いっきり誉めてもらう。
「うぇー、だけどお母さん見てよ、このマリアのきったない字!」
といちゃもんをつけられるが、結果を出している私は負け犬のように吠えているお兄ちゃんを余裕で見下したりできる。柔道で一本勝負が決まったような気分だ。
 もう一つはお手伝いだ。お兄ちゃんはいつも怒られている。それを私はいつもじっと見ている。それを頭の中でメモリーしている。それを利用して、私は絶対こんなことをしないようにしている。そうやって私はおりこうちゃんになれる。
 一人っ子は自分だけがお母さんとお父さんに注目されて何でも買ってもらえるし、ケンカもしなくていい。だが家庭内でケンカ馴れをしていないから、いじめられても一瞬抵抗できないということもあるかもしれない。私は兄弟がいてよかったなと思う。お兄ちゃんたちとケンカをしながら、上手なやりとりを覚えたりもできる。
 いつかお兄ちゃんを柔道の技で泣かせてみたい。これが私の目標だ。しかし、同時にいつかお兄ちゃんを追い抜いてみたい、これが私の本当の目標なのかもしれない。
 私よりいつも一歩先に立っているお兄ちゃん。実は本当にたくさんのことを教わったりしている。何を?と聞かれると困るのだけど、まるで見本のようなのだ。時々いやで、邪魔なお兄ちゃんもいざという時はいつでも助けてくれる。そういうお兄ちゃんは世界一だと思う。

   講評   yuu


マリアちゃんの目標はお兄ちゃんを追い越すことなんだね。勉強やテストだけでなく、いろいろな場面でお兄ちゃんは『目の上のたんこぶ』なのかもしれません。でもそんなお兄ちゃんはマリアちゃんのすぐ『目の前の目標』でもありますね。そんなお兄ちゃんがいるなんて、マリアちゃんは幸せだなぁ!
目標についての作文かな、と思いながら読んでいくうちに作文に込められた思いがもっと深いものだと分かってきます。ただ目標とその理由や決意を書くだけで終らせないのがマリアちゃんの上手な表現力だと思います。



▲直してみましょう!
・「一対どうしているのだろう?」(四段落) → 「一体」
・「それ」(八段落) → 「それ」が三回重なっていますので、他の言葉で言い換えみてましょう。
・作文の中には「〜」をつかわないようにしてみましょう。「〜」は記号表現であり、言葉ではありません。



新年度が始まりましたね!感想文の比重も増えてきます。楽しい長文がたくさんあるといいですね♪感想文、期待しています!!

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