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　　　出会いと別れ　　　スマイリー

「さようなら。」（書き出しの工夫）
私たちの学校から中野ひろ子校長先生が去っていったのは一年前のことだった。やさしくってにこにこしている校長先生だった。大好きだった校長先生がいなくなってしまうは私にとって大きな出来事となった。
　四年前に入学してきた私の事をすぐ覚えてくれ、中野校長先生だ。同時に入学してきた四十名全員の名前すべて覚えて毎日笑顔でせっしてくれるすてきな学校の天使のように私には見えた。生徒みんなの良いところをよく見て朝会のときにはいろいろなことを話してくれて私はびっくりした。そして実感した。「この校長先生大好き！」と。入学してから、校長先生からはいろいろな事を学んだ。たくさんのことを教えてもらった。特にやさしくせっしてくれたのが、笑顔は人を幸せにする、ということが心に残ってる。そのことが分かったのは校長先生がいなくなってからだった。もう少し早く分かってればよかったのに...そう思うととても悔やまれた。また、こんな体験もあった。私の弟が入学のことで弟が学校に来た時のこと。校長先生に会ったときに校長先生の口から出たのはこの言葉だった。
「航君こんにちは。これからよろしくね。」
弟に、一度も会ったことがない校長先生だから知っているわけがないのに知っていた。まるで弟のことを見ぬいたようでとってもびっくりした。この前の卒業式の日、四年生からは卒業式に出席する事になっているから私たちも卒業式に出席した。その時に前校長先生として卒業式に出席した校長先生は前とかわらず笑顔の校長先生だった。ひさしぶりに校長先生の笑顔を見た私はなぜかほっとした。そして懐かしくなった。離任式の日、みんなに話しをしてくれて最後にみんなの間を通って退職していった校長先生。朝会の時にいろいろな事を話してくれた校長先生。笑顔で毎朝あいさつしてくれた校長先生。全部当たり前だったのが過ぎてみるととても懐かしくなる。なんでもっと心からよく感じなかったのか、そう思ってしまう。そんな事を考えていたら急に校長先生が立ち上がったそしてふらふらしている卒業生のところへかけてった。その卒業生は校長先生と保健室に行った。困っている人をほっておけない校長先生の性格はずっとかわっていない。ほかにも校長先生との思い出は山ほどある。忘れられない大切な思い出。
　この思い出を通してわかった事がある。出会いがあるから別れがある。校長先生とも出会えたことでいろいろなことを感じた。でもいつか別れがくる。別れがあるから出会いがある。これからも出会いを大切にして別れも大切にしようと思う。

　　　講評　　　jun

　長く書けるかどうか心配していましたが、いつもどおりのすばらしい出来映え。もちろん、字数も十分です。（十分すぎる。）
　会えなくなって改めてその人のやさしさに気づくことってありますよね。同時に入学してきた四十名全員の名前をすべて覚えて毎日笑顔でせっしてくれるとは本当にすばらしい校長先生ですね。それだけにこの校長先生とのお別れは悲しかったのでしょう。
　最後は、出会いと別れについてわかったことでしめくくることができました。心に残る出会い、そして別れ。それらが人の心を育てていくのかもしれませんね。

★ 新学期最初の作文でしたが、キーワードもすべて入り、常体で統一して書くこともできました。さすがはスマイリーさん！

▲「四年前に入学してきた私の事をすぐ覚えてくれ、中野校長先生だ。」とありますが、「覚えてくれ」の次には「やさしくせっしてくれたのが」が入るのではないかな。この部分だけ後ろにとんでしまったね。また、「こと」はひらがなで書くのが普通です。この作品を清書するとしたらここは直しておいてね。