国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   私たちの生き方   しっぽ

 科学文明の発達は、人間の日常から手間をどんどん省く。世の中の進化現象は、あげればきりがない。そして、なぜこうしたことが進化と形容されるかというと、これらはすべて、それまでの人間が必ず経験しなければならなかった数々の手間を、片っ端から省いていったからである。しかし、人間はある程度の手間を自分でこなしてこそ成長するものだ。人間が人間らしく成長し本来あるべき姿にできるだけ近づくためには、必要な手間が必ずある。楽な生活を送りがちな現代の人間は本能的なアンテナを修練させることが必要である。私は人間の本質を忘れてしまうような生き方はしたくないと思う。
 その第一の方法に、便利な世の中であえて進んで苦労をするということがあげられる。私の学校は山手の丘の上にある。名前は綺麗だが、これがまたものすごくきつい丘なのである。学校へ行くまでに、駅からずいぶん歩く上に、長い長い階段がある。誰かが数えたら二百五十いく段かあったらしい。休み明けの授業始まりの日など、その階段をのぼりながら友達と下らない会話をする。「荷物重い。なんなのこの階段。長いよ!暑いし」「本当にね。この階段全部エスカレーターにすればいいのに」「ダメだよ。雨降るしお金かかるもん」「屋根つければいいよ。お金は……つまらんためにならない授業する先生の給料から出せばいいよ。」「……そうだねぇ……。」こんな夢のあるつまらない会話をぜーはーぜーはー荷物を引き摺りながらするのだ。しかし、それだけきついと上りきったあとの達成感はすごいものだ。朝から犬を連れて海辺を散歩してきたようなすがすがしさがある(笑)。このように、苦労すると達成感があり、充実した人生を送っているような気持ちになれるのだ。(体験)
 第二の方法に、現在の親の子どもへの過保護な教育を改める、ということがある。テレビなどを見ていて、若者が出演し、その人が喋る度に、「この人の親は一体どんな教育をしてきたのかしら」と思うほど非常識で、社会に無関心な人が増えてきたと思う。また、自分一人で生きていけないのでは、とこっちが心配してしまうほど自分で自分のことができない人もいる(人のことは言えないが)。現代の若者は、生活がとても便利で、ほとんど機械やコンピューターがやりたいことをやってくれる。また、戦争のような苦しいことを体験したわけでもない。それなのに親が過保護にするので、ついつい辛いことは避けて通ろうとしてしまうのだ。だから、今の若者は辛いことを乗り越える力を持つ機会がないのだ。また、それを乗り越えた後の気持ち良さを知らないのだ。いつまでも楽な方に楽な方に逃げてばかりいてはいざという時に本当に困ってしまうと思う。
 確かに、楽な生活をすることは、今の時代を生きる私たちの特権のようなものである。しかし、人間の作り出したものに溺れて生きていくよりも、人間らしく、小さく一生懸命生きていくほうがいいと思う。目立たなくても、自分が精一杯生きているということが少しでも感じることができれば、私は充分だと思う。

   講評   jun

 これもまた目標字数をはるかに上回る大作となったね。
 人間の本質を忘れてしまうような生き方はしたくないという志帆ちゃん。ここは、どういう生き方をしたいかをもう少し具体的に示した方がよかったですよ。(二つの方法を読めば言いたいことはわかりますが。)
 一つ目の方法には毎日の生活から自分の体験実例を挙げることができたね。毎朝、学校に到着するたびに達成感を味わえるとはすばらしい。(笑)卒業してからもきっといい思い出になることでしょう。
 二つ目の方法は社会的な観点から挙げることができたね。甘やかされた子供は逆境に弱く、生きていく力を身につけることができませんね。
 結びは、反対意見への理解を示した上で、印象的な言葉でまとめることができました。ここは自作名言になっているね。でも、名言の引用もしてみてね。

     

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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