創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   手間   こめ

 科学文明が発達していくにつれ、人間の日常生活からは手間が省かれていく。例えば、テレビは、昔はリモコンがなくわざわざテレビの前に行かないと操作ができなかったが、現在は必ずと言っていいほどリモコンがついていて、リモコンがないと操作できない機能もある。また、洗濯や掃除なども昔は人の手で行われていて、時間もかなりかかった。しかし、今ではほとんど自動化され、時間があまるようになった。そのため、あまった時間が別のことに使えるようになった。しかし、かえってその時間が退屈になってしまった人もいるのではないか。僕は、全てのことを自動化したりして手間を省くことなく少しは手間のかかる作業をする人間になりたいと思う。しかし、そのようなことをするにはどうすればよいだろうか。二つの方法が考えられる。
 第一に、あまり機械に頼らず、なるべく自分の手で作業をするという方法がある。食べ物を冷蔵したりあたためたりすることは不可能だが、簡単にできることもある。例えば、掃除機を使うよりも、ほうきではいたり雑巾でふいたりしても床は十分にきれいになる。実際、僕が学校で掃除をするときは、いつもほうきと雑巾を使っているが、これでも十分にきれいになっているという体験実例がある。
 第二に、テレビなどのリモコンをなるべく使わずに、機械のボタンで機械を操作するという方法がある。僕の家のテレビは、かなり年代物なので、リモコンがついていない。少し前までは、チャンネルの操作はビデオデッキのリモコンから行っていたが、ビデオデッキが故障した(笑)ので、今はチャンネルを変える時は必ずテレビのスイッチで操作している。しかし、今の機械の中には、リモコンがないと操作できない機能があることが多い。実際、僕の家にあるビデオデッキ(今は壊れている)は、リモコンがないと一時停止や設定変更ができないようになっていた。僕は、細かい操作をするときは、リモコンを使い、それ以外は、リモコンを使わずに操作することがいいと思う。
 この二つの方法は、どちらとも実行は可能であり、少しは実行した方がいいと思う。しかし、現在は便利さに慣れてしまっているため、簡単には実行できないかもしれない。手間をかけない生活は、かえって暇な時間ができすぎてしまう。僕は、人間は、少しは手間をかけて作業してほしいと思う。

   講評   yuu

体験実例に気持ちが込められていますね。二つの方法を説明する二つの実例がありましたが、充分に解説を加えてくれているので、読み手には現実感を伴って「そうそう!あるある!」と思わせるものが生まれています。これを共感といいますね。まったく同じではなくとも、誰でも似たような経験をしていると思います。ふと忘れがちなそんな日常的な出来事を題材にしてもらえると、読み手にも我が身を振り返らせる影響を及ぼします。そして結果的に崇明くんの主題とするテーマを受け入れる態勢も持てるようになります。日常生活の題材の良さはまさにここにありますね!
長文の中に、便利さを追求し手間を省く生活に甘んじるのではなく、生きるための手間は実感を伴っていたほうが喜びが大きいという趣旨の内容がありましたね。(子供たちのオリエンテーリングを題材にした箇所がそうですね)ここで作者が最も大事に扱っているテーマは「生きる喜び」です。
『生きる喜びとは、感性をとぎすまし、自然の大きさと人間の魅力を日々発見することにあると思う。』
「自然」と「人間」の密接な関係は、手間を省いて成り立つものではなく、また人間が生きている実感を喜びとして感じられる瞬間も機械化や簡略化の中には存在しない、というものです。ここは大切な主題に通じるところなので、感想文にも取り入れてほしかったです。
テレビゲームで冒険するよりも、実際の冒険には予想も出来ない困難と大きな喜びもあることでしょうね。反対理解としては、「実際には冒険を夢見るだけの僕たちが擬似的にでも体験できるゲームの世界の可能性」なんてどうでしょう!?

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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