国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   初心   キキ

 コインは、上からみれば丸だし、横から見れば長方形だが、なぜか私たちは、「コインは丸い」と言ってしまう。人間の視点や認識は、ある立場からのものであり、有限で一般的である。それを承知している人は、自分の視点を変え、別の展望を求めようと努力する。これがレトリックであり、物事を頭の中で立体的に組み合わせる創造力、つまり想像力が必要とされる。価値の多様化が問題とされる現在、人によって視点も違えば、語る言葉も違う。相手をできるだけよく理解し、相互理解し、そして自分も新しい視野を発見するためにも、レトリックはかかせないのである。
 私の学校にとてもこわい生活指導の先生がいる。髪の色や、スカートの丈など、とにかく厳しくて、生徒から怖がられている存在だ。しかし、その先生の世界史の授業を受けてみると、なかなか面白い。物事をはっきりと評価し、皮肉も交えながら、お決まりの口調で話される。聞いている私たちは、笑いをこらえるのに、精一杯だ。そして、楽しいだけではない。内容が自然と頭に入ってくる。第一回目の授業、人を見る場面によって、こんなにもその人への印象が違うものかと、強く感じた。
 赤ちゃんに何かおもちゃを渡してみると、上から見たり、横から見たり…と興味津々に、おもちゃをひっくりかえしている。「別の方向から見る」私たちに元からそなわった、初めてのものを見る時の本能なのではないだろうか?何事に対しても、その初心が大切だと思う。そして、それが発見につながり、人間関係や科学技術の発達など、すべての面において、私達によい影響をもたらしてくれる事は、間違いないと思う。「初心忘れるべからず」過去の有名な発明家も、同じ気持ちだったのでは、ないだろうか。

   講評   hota

まず、200字程度の要約、よくできています。全体をバランスよく要約できていますし、要旨を的確につかんでいると思います。ただ、「有限で一般的」は「有限で一面的」、「頭の中で立体的に組み合わせる」は「頭の中で多角的に組み合わせる」ですね。言葉によって、微妙に意味も違ってきますから、できるだけ本文中の言葉を用いるように心がけて下さい。今回は「レトリック」、日本語でいうと「修辞学」のことですが、なかなか難しかったと思います。文中に解説があるので、だいたいのところは理解できたでしょうか。体験実例と、一般的な話題での展開、組み立てもなかなかよかったですよ。リンゴが落ちるのを見て、ただ「落ちている」のではなく、「引き寄せられている」と見ることができたニュートンの例もあるように、発明・発見に多角的な視点は必須なものなのでしょう。そこに思い至ったあたりも、よいと思います。これからも感想文がたびたびありますが、こんな感じで、どんどん練習していきましょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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