創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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集団 あとえ
一つの集団は、一人の裏切り者と、一人の犠牲者を生み出すことによって完成される。「裏切り者」によって、緊張しあう安定したものにすることが出来るからだ。集団が自己完結を目指すのは、集団が衰弱しはじめている証拠である。しかし、集団は常に、いつかは衰弱期を迎えるものであり、現に今でも「裏切り者」と「犠牲者」によって自己完結を目指しつつある集団をたびたび目にすることができる。
集団に頼らずに、個人として、自分自身を強くするべきだ。
その方法として第一に、何事も自分の責任だと考えることだ。中学校のある時、数学の空間図形の単元につまずいたことがあった。何回やっても解けないし、参考書を見てもちんぷんかんぷんだった。私は、全く分からない私に腹が立って、「空間図形がわからないのは、先生の教え方が悪いからだ!絶対そうだ!」と人のせいにして、現実から逃げてしまった。思えば、その時からその先生の悪口を言うようになり、そのおかげで、先生が私に対して少し冷たくなったような気がする。別に、始めからそこまで好きな先生ではなかったので、精神的ダメージは受けなかったが、私は、この体験を通して、自分のことは自分で責任をとらなければいけないということを学んだ。
第二には、内部に敵を作る前に、内部の情報を閉鎖しないことだ。日本の歴史上、最も最悪な戦争は第二次世界大戦だ。第二次世界大戦では、日本人達は、戦争がどのような状況になっているのかということを知らされなかった。だから、人々は見えないの敵と戦ってきた。たまに、見えない敵の正体を見破り、戦争を批判した人々がいたが、その人々は「非国民」とよばれ、新たな敵と見なされた。私は、「非国民」と呼ばれる敵を作る前に、戦争の背景や状況を報道し、情報を国民全員に公開するべきだったと思う。そうすれば、国民一人一人が自分で考え、戦争に対して自分の意見を述べたり、自分から行動したりと、自分自身を強くすることができたと思う。
確かに、集団の中の一部として過ごすのは摩擦が少なくなって、心地よい。しかし、「人生とは、決して楽出来るものではなく、山あり谷ありだからこそおもしろいのだ。」というように、集団に頼らずに、自分でなんとかするという強さを持つべきだ。
講評 kira
由希子ちゃん、こんにちは。三姉妹の母の日はきっとすてきな感謝の一日になったのでしょうね。
さて、今回も力作です。集団の中に埋もれてなんとなく「中流なんです」などといいながら暮らしていくのは楽チンですね。今の日本は平和なのでそてもまた良しとされますが、戦火にある国の内部では事情が変わってきます。とんでもない方向を向かされている可能性があります。
自分で責任を取れない人が増えているね。そういう人はとっても言い訳がじょうずです。結局自分にはねかえってくるのにね。
戦時中の日本の例はうまく書けています。「裏切り者」が「非国民」で「犠牲者」が「特攻隊」だったのでしょうか。ぴったり構図にはまってしまうね。
「付和雷同」なんて言葉もあります。人の考えにゆらゆら踊らされながら、責任を回避し、ぬるま湯のように生きていると、きっとその責めは自分にふりかかってきますよね。自分の眼と頭をしっかり使って、自分の未来を見つめていたいものです。
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