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　　　新しきものと古きもの　　　あめす

　無垢の木でできた質の高い、テーブルやデスクや書棚を生活の中に入れてみると、人間の意識が変わるのだ。本物の木を使い、本物の造り方をした家具は、本物の人間を育てるようになる。「子供や後輩をどう育てるか」が結局「二十一世紀をどう育てるか」に結びつく。若い素直な感性があれば、百年以上もある木目から、二十一世紀末までも見すえた遠大で深遠なメッセージを、きっと読みとれるはずである。
　確かに、新しいものがよいという意見もある。最近は、携帯電話が非常に普及している。(体験)元は、電話だけの機能であった。しかし今は、いろいろな機能がついている。まずは、もちろん電話をする機能。それに、一番使用されていると思われる、メール。さらに、インターネットに接続することもできる。携帯電話専用のサイトも作られたりしている。また、カメラやビデオカメラとして使用できる。電話とメールを受信するときは「トゥルルルル、トゥルルルル」といった単純な音ではなく、着メロといった、音楽を流すことができる。そして、今の携帯電話は、画面が大きくて、テレビ電話としても使われるようになってきている。それに、とても軽くて持ち運びもとてもしやすい。新しい携帯電話にはいろいろ、よいところが備わっている。
　しかし、古いものがよいという意見もある。携帯電話とは対照的に、とても古い黒電話は、本来の電話だけの機能しかない。でも、黒電話は、いかにも電話という感じで、どっしりと構えていて、すばらしいと思う。まるで一家の大黒柱のようである。黒電話がなければ今の電話もなかったかもしれない。言ってみれば、現在使っている、携帯電話と普通の電話は黒電話の子供のようなものである。それだけ、古い黒電話は重要なものである。
　大切なのは新しいとか古いとかいう問題ではなく、それぞれの良さを見つけることである。(総合化)パソコンでも、ＸＰは新しいが、９５は少し古い。しかし、両方にともによい点はある。ＸＰは新しいからもちろん使いやすい。９５は、古いので今まで使っていた場合は使い慣れていて使いやすい。「大切なのは、健康らしいが意見ではなく、健康自身である」という言葉があるように、中身がともなっているということも大切である。
　　　　

　　　講評　　　mika


「新しいものの良さは、すぐわかるけれどなあ。古いものの良さは難しいなあ…。」と言っていた雅貴くん。だけど、とてもおもしろい「黒電話」の良さを見つけることができたね。実は、先生が小学生の頃にも、まだ家には黒電話があった。「黒電話は、いかにも電話という感じで、どっしりと構えていて、すばらしいと思う。まるで一家の大黒柱のようである。」という雅貴くんの文章は、その当時の電話の持っていた大きな役割をよく表していると思う。
また、第２段落と第３段落で、漠然と「新しいもの」と「古いもの」を比べるのではなく、「電話」という同じジャンルにきちんと絞って考えることができていたのも、良かったよ。このように、何かを比較するときには（どんな観点で比較するか）をしっかり決めておくことが大切だね。そうすると、「変わっていくもの」と同時に「変わらないもの」も見えてくる。
　　さて、私たちは、一度便利なものに慣れてしまうと、それが当たり前になって、もしそれが使えなくなったら大騒ぎになってしまう。東京では最近、電力不足が心配されている。これは電気の使用量が膨らみすぎたからだけど、そんなことが起こるなんて、昔の人が聞いたらびっくりだね。
　　新しいから、すべて「よい」と安易に考えずに、雅貴くんが最後の段落で述べていたように、古いものと新しいものの「それぞれのよさ」を大切に過ごしていけるといいね。

複数の意見の書き方も、慣れてきたね。名言も入った！この調子