創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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育て終わって後悔しないために FULLMOON
そもそもフランスでは子ども中心の家庭生活を営みがちな日本語文化圏とは、かなり著しい対照をなすことが多いようだ。たとえば日本では、夫婦でも、子どもができるとお互いに「おとうさん」「おかあさん」とと呼び方を変えてしまう。自分の妻がなぜ「おかあさん」なのか、考えてみれば奇妙な話であるはずだ。日本に生活している限り、われわれはこれをごく当たり前のことと受け止めているけれども、実際は決して普遍的にヒトの社会に見られるということではない。社会の中で子どもをどう位置づけるかという価値判断によって、赤ちゃんことばの発達の度合いは著しい多様性を示すことを、文化人類学の調査は教えてくれている。
つまり、日本の親は子供の目線で教育をするのである。しかし他の国では、親は子供をおとなの立場において教育をするようだ。
日本の教育の仕方は、ある意味では子供への負担が少ないと思う。しかし子どもの目線で物を見ると「これをするのは大変だろうな」という同情が生まれてる。さすがに〝溺愛〟という言葉を使うのは誇張になるだろうが。しかし先日起きた長崎の事件も、親の溺愛が1つの原因であるという意見もある。少し環境が合わなかっただけで転校させるのはどう考えても溺愛と言える。しかし、子供を〝安全〟に育てるのならこの方法が、ある意味では適切であるとも言える。
欧米やヨーロッパでは、子供を親の舞台に立たせて教育をする。私は、アメリカ合衆国の軍隊の育成の現場を特集したテレビを見た体験がある。それを見ると、朝は起床のベルが鳴ると15秒で外に並ぶ。訓練では、どんな素人でも、そこに居る限りは、ヘドロの中を泳いだり、5日間ナにも食べないで訓練したり、恐怖感が無くなるまで川への飛び込み訓練をする。「新人だから手を緩める」という考え方が無いのだろう。しかし、こっちの方が育ちはいい。例えば、部活でも、始めてきた1年生に、雑用係をさせるのと、いきなり上級生と同じ練習メニューをやらせるのでは全然違う。日本の場合は前者、他国は後者のやり方に置きかえられるだろう。野生の生物が子供を産んだ時も、最初から厳しい自然の中に子供をほうり込む。
どちらも大切にしたい育て方なのだが、本当に大切なのはきちんと一人前に育て上げることだと思う。「ローマは一日にしてならず」という名言の様に、子供はどんな育て方をしても簡単なものでもなく、膨大な時間を費やす。どんな育て方をしても、最終的に御立派な人になれば良いのである。(総合化)
講評 jun
久しぶりでしたが、30分で1000字をこえる字数は立派。相変わらず冴えていますね。
日本の教育の仕方と欧米の教育の仕方について、それぞれの良さを見出すことができました。「溺愛」までいってしまうと問題ですが、子供の目線でものを見て、子供の立場に立って子育てをすると、無理のない、安全な子育てができますね。ここには、タイムリーな実例を挙げることができたね。(このニュースは病院のベットで見ていたのかな?)また、欧米の子育てについては、アメリカの軍隊の訓練の例を挙げて考えたところがいいですよ。
結びも、名言をうまく結論につなげてまとめることができたね。
▲「欧米やヨーロッパ」→「欧米」 すでに「ヨーロッパ」という意味が含まれているので。
▲「〜という名言の様に」→「〜という名言のように」 ひらがなで。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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