低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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テレビアニメの影響力 はるる
日本では、もめごとを「相手よりも強い力」や「他人の力」で、解決してすますアニメが多い。相手になにが不足で、どうすれば歩み寄れて争わずに済むのか、問題を根っこから解決しようとする場面が存在しない。それに、それらのアニメは少なくなっていく子供達の体験の場をおぎなうのではなく、短絡的なワンパターンをくり返すことで長者番組になっている。私は、幼い子供たちにとって最も身近なメディアであるテレビアニメからこそ、人と人との関係、または困難なことを乗り換える大切さを学べるようにするべきだと思う。
そのための第一の方法は、それらのアニメを作る人々が、子供たちがどのような番組を見れば良い影響を受けることができるか、考えながら作成していくことである。幼い子供たちはまだ現実と虚構の区別が明確にできない。例えば、私も幼い頃好きなテレビアニメがあって、それをよく好んで見ていた。あまりにそのアニメが好きで、「招来何になりたいの。」と聞かれた時、私は「セー○ームー○。」と元気よく答えたそうだ。それに、世の中には本当に正義の味方に変身できる人たちがいる、とも思っていた。そして、正義と悪とは、必ず両極に位置するものであって、決して交わらないものだと考えていた。(体験)しかし現実はそうではない。もちろん、正義の味方に変身できるヒーロー、ヒロインは存在しないし、正義と悪なんてはっきりわかれているものではない。だから正義の味方が悪者をたおして世界を平和にする、なんて話は有り得ないのである。それなのに現代で主流となっている、幼い子供を対象としたアニメは、当たり前のようにひとつのパターンとして組み込んでいる。それが危険な考えだとも知らずに。
第二の方法は、両親がもうちょっと子供の見る番組に対して関与することである。現代はとにかく情報が氾濫している。こちらが望んでなくても、テレビでは勝手に情報が流されているし、それを防ぐのはなかなか容易ではない。幼い子供ならなおさらだ。ならば、やはり親が子供に見せても良いものかどうか判断した上で決めるべきである。これは幼い子供には必要なことで、過保護であるとは思わない。
この世の中には、正義と悪が共存している。ひとりの人間にしたって、その心には正義と悪の両方が棲んでいるのである。それに、自分の立場が違えば、考えだって、ものの見方だってかわる。これから私たちに必要なことは、自分とは違う考えをもつ者を排除することではなくて、いかにお互いがお互いのことを理解しようとし、歩みよろうとするかということなのである。そのためには、幼い子供たちに強い影響を与えるテレビアニメの協力が必要不可欠なのだ。思い返してみると、結構自分自身も幼い頃に見たアニメに影響されてはいないだろうか。
講評 sugi
テレビアニメという身近な題材で、考えやすかったね。はるるさんの意見を十分に論じることができました。
たいていの人は、小さいころ、テレビアニメに夢中になった経験を持っているね。だからこそ、安易にアニメを制作するのは危険。第二段落の内容は、制作する側の問題だね。はるるさんの子供のころのエピソードを入れながら、よくまとまっています。最後の「それが危険な考えだとも知らずに。」というところは、どうかな…。制作にかかる時間、費用、そして視聴率の兼ね合いを考えると、危険と知っていても、パターン化することのメリットが大きいのかもしれないね。ここはもう少し深く突っ込めそうだ。
第三段落は、見る側の問題だね。子供が静かにテレビを見ている間に用を済ませたいと考える、忙しい親の姿が、問題点として浮かび上がってきそうだね。
最終段落のまとめも、文句なし。長い作品になったけれど、よくまとめました!
招来 → 将来(珍しい変換ミスだね)
両親がもうちょっと → 両親がもう少し(「ちょっと」だと口語的すぎるかな?)
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