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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   読書の楽しみ   れもん

 みなさんには、まだ字が読めないころの読書体験があるだろうか。わたしにとって、それは謎に満ちた物語、通常の音階を持たぬ歌だった。これこそ、本というもののもつ力ではないか。手ごわい相手、理解できない書に生きあたると、文字の読めない幼児のように、その昔に帰ったようにもどかしく、「この本がよめたら」と足ずりしたくなり、歯が立たないものをかんだようなつもりになって、見当違いの解釈をすることも多いが、わたしにとっては、それこそが読書の楽しみなのだ。(要約)
 「ねえ、これなんて読むの。どういう意味。」
私はよく、こう母に聞くことがある。
 一、二年生のとき、この話と似たような体験をしたことが何度もあった。例えば、二年生のとき、昔話などの本を学校の図書の先生に進められて読んでみると、全くわからない、まるで暗号のような漢字がたくさん並んでいた。どうにかそれを先生や母などに聞いたりして、読み方がわかっても、今度はまるで呪文のような、言葉が並んでいていらいらして、とうとう、話の筆者とは反対に、その本を読むのをやめてしまったことがよくあった。
 五、六年生になっても、まだ似たような体験はある。今度は漢字ではなく、英語だ。私は英語が大嫌いだ。もし、読めるようになったり、ペラペラしゃべれるようになっりしたら好きになることもあるかもしれないが、今は英語を見るだけで気持ちが悪くなるぐらい(笑)大嫌いだ。そのため、私は英語の本などを自主的に読む、なんていうことは絶対にしないが、今の世の中、どうしても英語というものは出てきてしまう。例えば、パソコンのエラーメッセージや、歌の題名などだ。それに、駅にはってある宣伝のポスターの太文字のところまで、英語だ。私はそれをみると、(ここは日本なのだから、一番強調したいところぐらい英語じゃなくて、日本語で書いてよ。)と思ってしまう。この体験でも、私はどうもそこに何が書いてあるか、想像したりしても全く見当違いのことばかり考えて、後で話がつながらなくなり、いらいらすることが多い。
 でも、読書体験では、色々な読み方ができて面白いな、と思ったことがある。それは、国語の授業で、宮沢賢治さんが書いた「やまなし」を読んだときだ。初めてその物語を読んだときは、例えば「クラムボン」などという言葉がでてきて、読むのがむずかしく頭の中がチンプンカンプンになった。でも、授業で、意見を出し合ったりして、色々な見方ができ、面白いなと感じた。(体験)
 私は文字の読み方が分からなかったり、意味が分からなかったりすると、すぐに人に聞いたりして解決してしまうが、読み方や意味とはちがって答えの無い意味をもった言葉について、たくさんの方向からの見方をして楽しむのも面白いな、と思った。人間にとって言葉とは、色々なことを考えさせることのできる道具ではないだろうか。(一般化)

   講評   nara


長文筆者と一見反対の経験のようだけれど、もしかしたら根っこの部分は共通することがあるかもしれないね。「読めなくて・わからなくてイライラする」という経験があればこそ、それがわかったときに「な〜るほど!」と思うのだろうしね。2つ目の体験談「五、六年生になっても、まだ似たような体験はある。」は、「……になっても、まだ〜」というところで、クスリと笑わせてくれる。こういう細かいところの表現にれもんさんのセンスが出ているね。

 物語や詩の世界は、読者ごとの読み方ができるというのが魅力だ。人によっては「クラムボンはクリームボンボンみたいな音だなぁ」と思うかもしれない。こういう読み方をも許してしまうことが、おもしろさなのかもね。
 人は言葉によって思考する、これは素晴らしいまとめだ。

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