低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日3224 今日753 合計56313
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   恐ろしい記憶   れもん

 「ドーン。」
(うわっ。怖い。ここに落ちたらどうしよう。光ってからすぐだから、すごい近いってことだ。怖いよ。)2002年7月の月曜日。時計の針はもう、午前三時をさしていた。外では雷が鳴っている。いまにも、落ちてきそうな勢いだ。
 この文だけを見ると、まるで推理小説に出てきそうな感じがする。推理小説では次に、その部屋には○○探偵がパイプをくわえながら、この前あった事件について考えめぐらせている、というような文章に続くだろう。このような文を私も、数回読んだことがある。しかし、その探偵がどんな思いでその場にいたのか、全く考えたこともなかった。しかし、ある日それを私が体験する日がやってきたのである。
 「おやすみなさい。明日は、早い電車に乗るから、早く起こしてよ。」
 「はいはい、でも目覚ましかけておいてよ。おやすみ。」
宿題も早くおわり、久しぶりに早く眠れる。母にあいさつをして、ベットにころがった。その日は、ベットに入ってすぐに寝ることができた。
「ドッドーン。ドッドーン。」
そんな音が聞こえたので私は目を覚ましてしまった。時計をみると、午前三時だった。(何の音だろう。)と思って窓の外を見た。そのとき、ピカッと光ったかと思ったら、
「ドッドーン。」
一秒もしないうちに、音がした。(雷だ。光ってから、すぐに鳴ったから、そうとう近い。)私は急いで布団をかぶった。雷はいつ、また鳴るか分からないところが怖い。だから、ずっと身構えていなければいけない。また、ピカッと光った。(来るぞ!)すると、
「ドッドーン。」
今は、さっきよりも光ってから、鳴るまでの時間が短かった。(うわ、もっと近づいてきた。ああ、もう早く寝たいよ。)雷が怖いので、早く寝たいと思えば思うほど、眠れなくなってくる。だんだん、パニック状態になっていた。しまいには、(もしかしたら、私はここで死ぬのかもしれない。)とまで思った。そのとき、
「ズッドーーン。」
もの凄い大きな音がした。(ワー。)声に出して叫びたかったけれど、その部屋にいたのは、私だけだったし、怖くて声も出せず、叫べなかった。その大きな音があった後はだんだん雷の音はあまり聞こえなくなっていった。朝になった。雷のことは鮮明に記憶されていた。
 その日以来私は雷が地球上で一番怖いものになった。光ってから、六秒後ぐらいに音が聞こえるほど遠くはなれていても、布団をかぶって縮こまっているようになってしまった。
 前の推理小説の話にもどす。探偵というのは、私には「無敵」というイメージがある。たぶん、推理小説にでてくる雷というのが、私の体験したくぐらい大きな雷のことをさしているとすれば、探偵はイメージをくずさないために、いかにも探偵らしく考えているふりをしているだけで、やはり、人間だから自然現象の雷には勝てずに、本当は怖くて事件のことなど本気で考えることはできないのではないか、と思った。
 私がこの体験をして、人間が雷にどんなにお願いをしても、「馬の耳に念仏」のようなもので、雷がやむことはなく、人間は自然の力には勝てない、ということがわかった。人間にとって、自然とは一枚も二枚も、上の存在なのだ。

   講評   nara

れもんさんは、いつもよりよく清書を仕上げてくれるね。今年は、落雷・冷夏・厳しい残暑と、天候不順だなぁ。何かの前触れかも。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)