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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化的カプセルの打破による自己理解   うなろ

ツアーコンダクターの女性の持つ旗の後ろをカメラをぶら下げて眼鏡をかけた男女がぞろぞろと団体で歩いていく…。そんなイメージが多くの欧米人にとっての日本人のイメージではないだろうか。しかしながら、欧米人達の目撃情報によると、この団体と遭遇するのは観光名所や空港などに限られている。当然彼等も食事をし、買い物をしていると思われるのにも拘らず、現地のレストランやデパートでは殆ど見かけないのである。実際、空港で出会う彼等は手に持ちきれないほどのお土産を持っている。この謎の解明には彼等の独特の行動を理解する必要がある。彼等は日本人専用のレストランで食事をし、日本人専用のホテルに泊まり、日本人専用のお土産物屋さんで買い物をしているのである。もちろん、西洋人もアジアなどに旅行した際には母国の料理や母国の部屋が懐かしくなり、西洋料理のレストランに入り、西洋スタイルのホテルに泊まることがある。しかし、日本人はそのような”文化的カプセル”の殻が西洋人よりもかなり固い様である。このカプセルの殻を打破することにより、好奇心を芽生えさせ、それを満たすという経験が日本人にとって重要だと私は思う。(要約)
私は友人と2人で何度かヨーロッパをバックパック一つで旅行したことがある。日本では旅行中でも列車の中で知らない人と話すことは殆どないが、ヨーロッパでは多くの人達から列車やレストランンなどで話し掛けられた。彼等は自分達と違う人種の私達についていろいろと興味を持つらしく、私達の国籍をはじめ、多くのことを質問してきた。私は自分から話し掛けることはなかなかできなかったが、この様に話し掛けてもらうことにより(外的要因によってではあるが)カプセルの殻が破れ、彼等から多くの刺激を受けることができた。その結果、彼等と相互に理解することができ、楽しい一時を過ごすことができたのである。(体験)
我々日本人をはじめ、中国人や韓国人などはこのような文化的カプセルの殻に閉じこもってしまうためか、日本人街、チャイナタウン、韓国人街といった地区を形成してしまう傾向にある。ドイツのデュッセルドルフにある日本人街では、日本の銀行でお金を下ろし、日本のデパートのデュッセルドルフ支店で日本人の店員の助言のもとで買い物をし、日本資本で日本人従業員が勤務しているホテルに泊まれるのである。このような状況はトロントのチャイナタウンでも新宿・大久保の韓国人街でもほぼ同じである。これは、高度に発達した独自の文化を持っている民族が、グローバルスタンダードと呼ばれる西洋式の文化やシステムに無理にあわせていることに起因しているのかもしれない。
確かに人間は各々精神的な土壌となる文化を持っており、その文化や母国が精神的な支えとなっているのだから、世界中どこでも住めば都(ことわざ)というわけには行かず、その文化や母国に固執してしまうことは、ある程度やむをえないと思う。しかし、他の文化を土壌とする人との相互理解も必要なのではないだろうか。そうすることにより、他の文化を理解することができるだけでなく、自らの文化もより深く理解するすることができ、自らをより深く理解することへとつながっていくのではないだろうか。

   講評   nane

 書き出しがうまい。情景の書き出しは、美しい場面や面白い場面で書くと更に印象的。
 要約のあとの意見が簡潔。このようにすっきりと自分の意見を書いておくのは大事です。
 ヨーロッパをバックパック一つでというのは、いい体験です。こういう自分しかできない体験があると、それをどのようなテーマのときも生かすことができます。しかし、よくやりましたね。(笑)
 第三段落の社会実例もよく書けています。「高度に発達した独自の文化を持っている民族が、グローバルスタンダードと呼ばれる西洋式の文化やシステムに無理にあわせていることに起因しているのかもしれない。」という考察はさすが。独自の文化というものがなければ、適応するのも早いのかもしれませんね。
 反対理解もよく書けました。日本人の民族性というと悪く言うことがブームのような時期が一時ありましたが、そういう民族性があるということはそこに何らかの合理的な要素があったからでしょう。
 結びの一文も決まっています。このあと余裕があれば、書き出しの情景のキーワードを使ってまとめていくと面白いと思います。
 次回はこれまでの作文の一つを500字に清書して、新聞に投稿してみましょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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