国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   アイディンティティの真実   いうや

衰弱したアイディンティティのぎりぎりの補強それを個人レベル感覚レベルで見ればたぶん「清潔願望」になる。要するにじぶんの存在が他者にとってわずかでも意味があること、そのことを感じられるかぎり、ひとはじぶんを見失わないでいられる。じぶんの最後の城壁を、過剰に防衛しようというのが、異物との接触を徹底して回避しようとするいわゆる清潔シンドロームだったのではないか。ぼくは清潔願望に取り付かれるのはよくないと思う。(是非)
 その理由は第一に、とらわれることは物事を何でも悪いふうにとらえてしまうからだ。これは母の話だが、母が小学生の頃、隣に住んでいる一人っ子の子がいた。その子は過保護にされていていつも清潔にしてもらっていた。食事のときはきれいなお皿、コップ、箸を出してもらって、それで食べていた。一人っ子なので自分以外の人とご飯を食べることがなかった。だから給食のときに、皆が触れた食器でご飯を食べるのに抵抗があり、また、給食の前で人がしゃべっている食べ物を食べることができなかった。そのためいつもおなかはペコペコで、家に帰ってきてから大量に食べ、太っていたという。しかしその子はかなりの清潔願望であり、いつも机がきれいだったらしい(笑)。
その理由は第二に、否定ばかりしていたら自分の考えや行動が広がらないからだ。ぼくはこういう体験をしたことがある。家族で中華料理を食べに行ったときに青菜炒めをたのんだ。ぼくは青菜炒めが好きではないから少ししか食べないつもりをしていたのだが、少し食べてみたらとても美味しくて、たくさん食べた。否定ばかりしていたら損するなとそのとき思った。これはつい昨日(土曜日)のことで、ぼくは木曜日に言葉の森から電話がかかってくるのだが、体験がなくて書けず、この作文ができたのは日曜日になってしまった(笑)。
人に認めてもらえなかったり受け入れてもらえなかったりするとこのように「清潔願望」に陥ることもあるが、「かわいい子には旅させよ」という言葉のようにいろいろ体験した方が自分のことを良く知り、賢く正しい立派な人間になると思う。

   講評   huzi

 なるほど。体験実例を探すのに手間取っていたのですね。テーマが、「清潔願望」という複雑な人間の内面にせまるものだったので、泥まみれの野球生活を楽しんでいる將くんにとっては、探しにくかったかもね。
 それでも、お母さんに取材したことをもとに、【理由】と【体験実例】を意欲的に書けています。さすがです(將くんのお母さんも)。
 他の人がいるところでは食事ができない子は、きっと、家の外には心を許せる相手を見つけられなかったのでしょう。 不安でたまらない気持ちが、「清潔でないから手を出せない」という高いバリアとなって自分自身を守っていたのかもしれません。 
 【理由2】の青菜いための【体験実例】は、目のつけどころがユニークですね。 あれはダメ、これはダメとダメの壁を高くすることで、おいしいものにありつけなかったり、成長できないことをたとえるよい例だと思います。 作文の練習も、「感想文、苦手だ・できない・おもしろくない」と壁を作ってしまわないで、周りの人に「助けて、教えて」と言いながらでも書けば、何とかなるよね(笑)。
 読んだ意見を自分の体験と結びつけて考えると、実際にも応用がききます。 將くんは、この長文で「清潔願望」の意味について理解できたと思います。 もし、今後、長文と同じような心境に陥ったら、「青菜いため」のことを思い出せば、乗り切れるでしょう。 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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