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　　　新説：隣人間関係論　　　クラシック

　日本人には満場一致という文化観がある。近年日本は西欧の効率的な多数決という方式をとり始める傾向があるが、私は満場一致の文化を推したい。
　これの実現方法として第一に地域社会への見直しという点を挙げたい。モンゴルは大陸国であるが、その特質は日本に良く似ている。以心伝心文化のそれだ。こういった文化の根本にあるのが、腹を割って話し合えば理解して貰えるという土台である。西洋文化にはこういった土台は無く人は所詮他人なのだから意見が違って当たり前という考え方を根本に持つのだ。今日本では地域社会が崩壊し、急に人と人の間に石垣ができてしまった。その石垣が厚くなるにつれ次第に日本の以心伝心的文化は消え去り、逆に西洋の他人は他人という思考の文化へと変貌をとげようとしている。この変貌は果たして進歩なのか？　少なくとも私には進歩には感じることは出来ない。我々の文化も土台にある満場一致的な考えも、消すべきものではない。
　確かに、多数決は合理的でありかつ効率が良い。しかし、その意見に乗っ取ることで、日本人の文化はこれから消滅していく。だから、全てが手遅れとなってしまう前に良く考えるべきではなかろうか。

　　　講評　　　jun