国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   勝ち負け   ゆん

 中学生になって、部活に入ると周りの雰囲気が違うことに気づく。その原因は上下関係であったり、先生の厳しさであったりするのだが、一番の原因は勝ち負けの多さだろう。また、勝ち負けへのこだわりもそうである。だから緊張感もあるし、先生も厳しい。運動部であれば小学校のクラブとの差は一目瞭然だ。小学校の時は競い合いもほとんど遊びの一貫だし、負けてもよっぽどそれに執着しない限り反省しないし、感動もしなかった。ところが中学生になっていきなり勝敗をはっきりさせなければならなくなったのだ。
 確かに、勝つことは後の自分に自信を見出せるし、負ければ反省することで失敗を活かすことが出来る。なので勝ち負けは必要であるという意見もある。私はこんな体験をした。2年生全体で野外活動に行ったときのことだった。ミニオリンピックというのを開催したのだが、私のクラスはなわとびで3位だった。(長めのなわをクラス全員でとぶ。)そして10月になり今度は体育会が行われることとなった。不運なことにまたしても学年演技にはなわとびがあった。練習時間はとても短く、私のクラスは本番での奇跡を待つはめになってしまった。そして、本当に不安なまま本番を迎えることになった。みんな一生懸命跳んでいたが、どうしても軌道に乗れずいらいらしていた。すると体育委員が「野外活動でやったやん。広がり過ぎてんねん!もっと詰めてー!」と言った。すると、みんな分かったのか、詰めて跳び始めた。そうして跳んでいるうちに、目標の6回を達成したのである。少し感動した。私達は負けを前回噛み締めたおかげで今回の体育会にそれを活かせることが出来たのだ。学校の体育会の学年演技でも、まるでオリンピックのように私の心に残った。勝ち負けにこだわることで得られることはたくさんあるのだ。
 しかし勝ち負けにこだわらず楽しく競い合うという意見もある。勝ち負けにこだわるのはつまらない。どうせなら楽しくやろうということである。例えば童話のうさぎとかめの競走。常識で考えればうさぎの勝利は間違いなし。でも、油断をしたうさぎが昼寝をしている間に、かめは休まずひたすら歩き続け、ついにはうさぎを追い越してうさぎに勝利するという話。(イソップ童話)この場合は、うさぎは油断しきって遊び半分で寝てしまう。真面目なカメはうさぎを追い越し勝利する。互いの意見の食い違いの結果である。遊びでやっているのはレクリエーションである。あくまで遊びと競技は違う。遊びと競技が混ざったものが、休憩時間中のドッジボールやバレーボールである。やっていてもふざけて、「スペシャルシュート。」と言って技を決めることが出来る。これが部活であれば確実に怒られる。(笑)
 確かに、勝ち負けにこだわらず楽しく競技するのも良いが、しかし勝ち負けはどうしても見出さなくてはならないし、必要である。楽しく競技するとそれは競技ではなくレクリエーションだし、勝ち負けがないと競技そのものの意味がわずかでも揺れ動いてしまう。だが、これらの意見を総合化すると、大事なことは楽しく競技することか勝ち負けが重要かではなく、自分の力を深めることである。「間違いと失敗は我々が前進するための訓練である。」というチャニングの名言そのままだ。例えば人と競うことがあっても、どんな態度で競ったとはいえやはり結果は出る。問題はそれからの態度だ。自分で自分のしたことを受けて、どれだけ自分を深められるか。私は困難に直面したときこのことをしっかり意識して困難に臨みたい。
 

   講評   nara

 もしや、今までの最高字数達成? がんばったなぁ。時間もまずまず。今期は「90分以内」という目標もあるから、ここもクリアできるといいね。新しい課題での第一作だけれど、好調なスタートだ。●だけでなく◎(総合化)などにも積極的に取り組んでいる点、意欲的だね。
 第一の意見は、実体験ならではの説得力がある。「負けを前回噛み締めたおかげで……」あたりは、勝ち負けがあるからこそ得られるものがあるという主張をうまく支えているね。
 第二の意見は、ウサギとかめの意識のずれをうまく使えた。一見やっていることは同じようでも、求めているものが違うと、別のものになるということだね。部活でオチャラケた感じだと怒られるのも、レクリエーションの場で気合を入れすぎて周囲をしらけさせるのも、「何を求めているか」が共有できていないことが原因だ。
 「何をやったか」ももちろん大切だけれど、「それをどうとらえ、どう活かすか」ここも同様に大切になるのだね。今回は今まで取り組んできた課題・新たな課題、両方を積極的にとり入れて力作が仕上がった。
 「確かに……」は、意見を大転換させることをにおわせる語。これはより効果的に使いたい。第一意見の書き出しのところは、思いきって削ってもいいかもね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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