低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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遊びに学んだこと M.T
「え!もうみんなつかまっちゃったの?」
私はびっくり相手が警察にもかかわらず、聞き返した。
放課後、どろけいをしている最中のことだ。どろけいとは、どろぼうと警察にわかれて警察が泥棒を全員つかまえると言うゲームだ。しかし、つかまった泥棒をつかまっていない泥棒が助けることもできるというゲームだ。私はいつも泥棒で、最後まで残るということはめずらしいことでもなかった。しかし走るのが得意な私でもボール遊びは苦手だった。
私は昔から、ボール遊びは苦手なほうだった。幼稚園児のころも、家族ごっこやおままごとばかりしていて、ボールにはほとんどさわったことがなかった。バスケットボールは全然できないし、ドッジボールもボールがあたらないように逃げるだけだった。(前の話)しかし、田んぼの田がきっかけで私はボール遊びが好きになった。
田んぼの田とは外で遊ぶ遊びで、田という漢字を地面に大きく書き、それぞれの四角を1位〜4位までの陣地とする。はじめは4位からボールをバレーボールのように打ち、ボールが1バウンドした陣地の人が打っていくゲームだ。しかしボールが1バウンドした陣地の人が打たなかったり、打っても1バウンドしたところが自分の陣地だったりした場合は、その人の地位が1つ下がる。また、誰の陣地にも入らず、はずれた場合は最後に打った人の地位が1つ下がるルールになっている。このゲームだけはボール遊びが苦手な私も夢中になった。地位があがるごとにこのゲームが好きになっていった。また地位が下がるとなんともいえない悔しさがこみあげてきて、なにがなんでも上にあがった。そして1位になると、まるでオリンピックで金メダルをとった人のように喜んだ。
田んぼの田が好きになると同時に私はボール遊びもすきになった。もちろん、ボールを投げるのが下手なのはかわりないが、ボールをキャッチするのはだんだん上手になったし、投げられるだけで十分に楽しめた。そして、私はボール遊びも好きになった。
私はこの経験から遊びは得意ではないものでも楽しめると思う。そして私は遊びから、人間が苦手なことでもけっして楽しめないことはないということを学んだ。
「え!もうみんなつかまっちゃったの?」
明日もこの言葉をいうのがたのしみだ。(書き出しの結び)
講評 siro
田んぼの田という遊びを通して、ボール遊びが好きになっていった様子がとてもよく書けていますね。田んぼの田とはどんな遊びなのか、遊び方も分かりやすく書けています。
「まるでオリンピックで金メダルをとった人のように喜んだ」という文から愛美ちゃんが一位になって大喜びしている様子が想像できました。
「人間が苦手なことでもけっして楽しめないことはない」という文は、作文のまとめとして非常に良い表現ですね。最後に書き出しの会話を使って結ぶのもとてもよく出来ています。
新学期の初めての課題で非常によく書けましたね。この調子でこれからもがんばってください。
愛美ちゃんは明日は何をして遊ぶのかな……?
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