低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
生きるのに大切なもの しっぽ
小学校にあがると、いきなり勉強ばかりの毎日になってしまう。それまで幼稚園では、みんなで歌を歌ったり、お遊戯をしたりしていた。楽しかった日々を忘れて、成績のことばかり気にし始める人が多い。勉強ばかりが大切なものではない。私は、人生にとって本当に大事なものを見失わずにいられるような生き方をしたい。
その第一の方法に、目先のものばかりにとらわれないようにするということだ。私の学校では、中3の夏休み明けに学力診断テスト(学力診断なんて名前だけで、高校に上がれない人は誰か調べるテスト)と期末試験、漢字テストが重なっている。私は普段の素行と成績の悪さのため、ちょっと高校進学が危なかったので、夏休みあまり遊ばず(?)勉強した。慣れないことをしたためか、私はかなり怒りっぽくなった。そんなある日、友達からメールが来た。『中1の時やったレンズの屈折よくわかんないんだけど、教えてくれる?あとさ、ABCD包囲網ってナニ?』勉強のストレスでイライラしていた私は、そのメールを見て怒った。「自分の勉強で精一杯なのにこんなこと聞かないでよ!メール打つのも時間の無駄なのに!授業ちゃんと聞いてればわかるでしょ!」私は結局その子にメールを送らなかった。今思うとなぜそんなに腹が立ったのか自分でもわからないが、私はその時確実に「嫌な女」になったのだ。試験が終わればどうってことなくなってしまうのに、一時的な試験のためにイライラして、これから長い間付き合っていく友達を蔑ろにしてしまったことをとても反省している。目先のものにとらわれないようにしなければならない。
また、第二の方法に、人に点数をつけたり、キャリアなどでその人の価値を決めたりしない、ということだ。昔の親のセリフは、「人様に迷惑をかけるんじゃないよ」だったらしい。しかし、今の親は子どもにそれ以上のものを求めてしまう。迷惑をかけないどころか、人を蹴落としてでもいいから上の地位を掴め、と言う親も多い。伝記によると、織田信長は人の目なんて気にせず、自由に遊んで少年時代を過ごしたらしい。学問や位よりも大切なものを知っていたから、信長は立派な人になれたのかもしれない。
確かに、知識は社会に出る者にとってなくてはならないものである。しかし、知識ばかりが全てではない。勉強ばかりしていて、楽しい人がいるだろうか。少なくとも私はごめんである。地位やキャリアのためだけに人生をつまらないものにしたくない。いい成績をとったことなんてすぐに忘れてしまう。しかし、誰かを思いやったり、誰かの相談にのったり、誰かと遊んだりしたことは、最後まで思い出として残る。人生にとって大事なものを見つけ、生きる喜びも見つけられたらいいと思う。
講評 jun
一息に書き上げたという感じですね。字数も十分。キーワードもすべて入りました。
第一の方法に書かれている体験実例はなんだか痛々しいですね。友達にメールを返さなかった志帆ちゃんの気持ちもわかるし、後になって反省する気持ちもよくわかります。友達を大事にしなければならないことはわかっていても状況がそれを許さなかったのですね。高校進学が危なかったというのはかなりオーバーな表現だと思いますが……。
第二の方法には、織田信長の伝記実例を挙げることができました。子供のころに植えつけられた価値観は簡単には変わりませんよね。
テストのために勉強することも、もちろん大事です。でも、誇りにするものがいい成績しかないとしたら、悲しい人生ですね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |