創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日3224 今日2354 合計57914
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   愛情と自立   シュシュ

 不思議な、あるひそかな不安を感じながら、私は少年時代に喜びを味わった、なじみの場所を見まわした。そしておくびょうなトカゲを両手に捕らえた。少年のころの狩りの楽しみの余韻を味わったが、だがそれからよろこびは消えてしまった。私は地面にかがみこんで、手を開いた。汽車が輝く鉄路を走って来て、私のそばを通り過ぎた。そしてあの列車に乗って世の中へ出て行きたいと、心の底から思った。
 たしかに、人間には自然の中で自由に遊ぶことの出来る無邪気で単純な子供時代が必要だ。なぜなら、それによって自然との関わり方、人との関わり方を知っていくことができるからだ。私が小さい頃すんでいたマンションは、家の目の前が山で今思うと自然がたくさんある場所にたっていた。だから、よく山へ探検に行ったり、虫を捕まえたり、友達と鬼ごっこやかくれんぼなどをしたりしていた。暗くなって帰ってくるときに感じる程よい疲れとその日の充実感や満足感は、今同じことで味わうのは難しいだろう。それでも、小さかったときにあのような体験がなかったら、今私がもっているものでも、もつことができないと思われるものがだいぶあると思う。自然の本当の面白さや自然との遊び方、友達との関わり方などを初めて身をもって学んだのが、小さかった頃に自然の中で遊んだときだったと思う。
 しかし、人間には自然や家族、友達などから離れて一人でいろいろなことを考えてみるということも大切になる時期もある。昔話に「人魚姫」という話がある。大人になった人魚姫は自分でよく考えて、昔からの人間へのあこがれを実現させようとして今までの家族や友達、生活を全てすてて、一人で人間になる道を選ぶ。しかし、最後には結局願いはかなわず泡になって死んでしまうという話だ。
人魚姫は結果的だけを見ると「うまくいかなかった、失敗した人生」となるのかもしれない。でも、自分ひとりで考えてあこがれを貫き通そうと苦しい道を選んだ人魚姫は本当に偉いと思うし立派だ。人間へなるという決意したその時点で人魚姫は本当に一人になったのだと思う。私にはまだ命を賭けるような決断をするときはないと思うが、人魚姫くらいの真剣さで自分について考え直すことは必要なのだと思った。いつまでも周りの人間や今までの生活に頼りきってだらだらすごしているのでは、大切な時間はどんどんなくなっていってしまうだろう。
 確かに愛情も自立もどちらもなくてはならないものだが、本当に大切なことは、それによって自分がどのくらい成長するかである。(総合化)年齢によって愛情と自立、どっちが適するかは違うように、今自分に必要なのはどっちかを知ってそれによってどのくらい成長できるかが本当の目的だと思う。「脱皮できない蛇はほろびる」という名言があるように、今の自分に適するものをどんどん与えて新しい考えを吸収し成長することができたらいい。

   講評   jun


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)