創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
鶴の一声 たこ焼き
子供は、思ったことをすぐに疑問として誰かに聞く。例えば、「なんで夜は寝なくちゃいけないの?」「なんで空は青いの?」「なんで虹が見えるの?」「サンタクロースはどこから私の家にはいってくるの?」等と、疑問に感じたらほとんどの子供は質問する。
子供がなんでも質問する理由は、知らないから疑問に思ってしまう。知らないことは当たり前だが、そこに新しい知識が入ると、とても自分が大きくなった気分になるからだ。(笑)私は今もそうだが、「なぜ?」が連発する毎日だったような気がする。(笑)
「お月様には本当にうさぎさんが住んでいるの?」と聞かれたら、「住んでいるんだよ。今度よく見てご覧、うさぎさんがおもちをついているよ〜!」の答えでは、小学生になると矛盾していることがだいたいわかってしまう。そして、そんな矛盾している物語よりも、かっこいい科学的な答え「真実」が言いと思うようになってくる。そしたら、うさぎさんがもちつきしているという嘘は、どこからうまれたのかがとてもよくわかるだろう。(笑)
最近、理科の授業で「この学習をしてなぜ?と思ったところをもう一度実験してみましょう」というテーマのときに、なぜ?と思うところがない人がほとんどだった。中学生になると、なぜ?を考える前に論理的なほうを優先してしまうからだろうか。そのとき、私は小さな子供がよく連発する「なぜ?」はとても大切なことなんだなと実感した。また、夏休みの理科の自由研究でも、「なぜ?」と思うことが見つからないとき、不思議に思うことは大切なんだなと思った。
「なぜ?」と追求することは、この作文を書いていてとてもおもしろいことだなと改めて実感した。よく、「研究して、なぜ?と思ったところをさらに追求しよう」など言われる。こういうふうに言われると、なにか難しいことをやるような感じでやる気がでてこないけれど、その場でパッと思ったことをすぐに調べたりすることはとてもおもしろいと思う。
「自分の心のうちに持っていないものは、何ひとつ自分の財産ではない」という名言がある。生まれてから歩くことを覚え、学校に通い、就職して・・・。生まれたころの財産というのは、ほとんどこれからの人生に比べたらまだまだ少ない。そこに、「なぜ?」と追求したものを入れただけでもかなり財産が増えそうだ。
確かに、「なぜ?」と連発するとうんざりすることは認めよう。だが、そこで質問されたときに質問された側も考えさせられてしまうこともある。すると、一つだった財産が二つに増えるのではないか。そして、一人の利益だったものも二人の利益にもなるのではないか。「なぜ?」からどんどん視野は広がっていき、話の話題も広がっていく。とても、「なぜ?」を考えることはよいことだろう。長文にも載っているように、今まで見過ごしていたことに注意をむけられたり、関心を子供の一声によって変わってしまうこともある。(鶴の一声みたいだ 笑)そして、大人は時に簡単にこたえられるけれど、一緒になって「不思議だな」とやっていると、自分の生活がそれまでより豊かになったり、おもしろくなったりする。本当に、そのとおりだなと思う。自分が「なぜ?」と思ったことは、その時が忙しかったらノートにメモをしておくと、暇な時間にゆっくり追求するもでき良いと思う。これからは、「なぜ?」という言葉を生活とともに、使っていくべきだろう。
講評 nara
そうかぁ、「なぜ?」は鶴の一声だったのか! 鶴の一声がその校かを発揮しなくなった理由はいろいろとありそうだね。「論理的な考えを優先する」このことそのものは、決して悪いことではない。しかし、問題なのはその論理に対して納得しているか、というところだろうな。大方の場合、その論理は一方的に「こうだ」と教えつけられることが多い。そこで「そういうものだ」と考えることなく受け入れることは、実際には論理的なふるまいではない。ここを考え直していく必要がありそうだね。
「なぜ?」が「そうか!」に結びついたとき、それが周知の事実であっても、その感動は考えて答えを導き出した人にしか与えられない。この感動を味わう機会が少なくなっているということも問題なのだね。
「ノートにメモしておく」というのは、とても具体的でおもしろい提案だ。意外にこういう単純なことが、「なぜ?」を切り捨てない有効な方法なのかもね。ある程度経験を重ねた後に、その疑問に答えられる自分がいるかどうか、それを見つめ直す作業もまた楽しそうだな。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |