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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   他人との関わり   ゆん


どんな人にも子供時代というのはあるはずだ。学校の先生だって、両親だって子供時代がある。そんな子供時代を自然がたくさんあった場所で走り回り過ごした人もいるし、都会で過ごした人もいるだろう。だが、みんないつかは大人になって、自分の考えを持つようになる。つまり、他人から離れて他人との間に垣根を作り上げる。それは子供時代と、大人になったときとの決定的な差だろう。
 確かに、子供時代はわけ隔てなく他人と接触するのは良いという意見もある。他人と接触する中で、他人と自分との違いに気づき、自分を見つめ意識できるからである。私はこんな体験をした。小さい頃動物園に行った時、偶然見つけた休憩所に、おもちゃの象の置物を見つけた。しかし、その置物はアメリカ人のような外国人の女の子に乗っ取られていたところだった。私は一応隣の置物に乗ろうとした。するといきなり、「!!!!」あの外国人の女の子がこっちに向って何か言ってきた。その子の声は動物に例えると警戒音のようなものだと思う。どういう意味なのか分からなかったが、とにかくあまりいい意味ではないことは、はっきりしていた。そんなことを心の中で分析しながら、私はしぶしぶと降りた。言葉が通じないのだから仕方がない。あっちも、もう少し配慮して欲しかった。私のその時の気持ちはまるで、膨らますのをやめた風船のようにしぼんでいった。いやでも、他人との違いを見せつけられた。人種の違いとかそういう問題ではない。もしかしたらその瞬間から、私は他人との間に垣根を少し作り上げたのかもしれない。自分と他人との区別が生まれたのである。
 しかし、誰もがいつかは大人にならなければいけない。自立するために孤独に耐える訓練をしておくべきだ。という意見もある。人はいつも人と一緒にいるわけではない。時には孤高な野生動物のように一匹狼でいなくてはならないかもしれない。街のネズミと田舎のネズミという童話がある。田舎のネズミは、静かでほとんど自給自足とも言える生活を送り、街のネズミは人間の残り物を見つけて食べていた。街のネズミは田舎のネズミの粗末だが静かな暮しを笑い、田舎のネズミを街に招待する。ところが田舎のネズミは街のネズミの騒がしく危険な生活に仰天し、帰ってしまう。という話だ。ちょっと無理矢理だが、自立していた方が気楽かもしれないということだ。それにしても、このネズミ達は自分勝手だ。もう少し慣れる努力が必要なようだ。(笑)
 確かに自立するために孤独を学ぶのも良いが、しかし分け隔て無く他人と接する方が現代人には合っているのではないか。大人になっても誰とも仲良くできるのであれば孤独を学んでも良いかもしれないが、おそらくそういう人はほとんどいないだろう。どんなに仲の良い人達だって、相手との間に壁を作っている。だが、大事なことは孤独か分け隔て無く接するかでなく、いかに他人の存在と自分の存在を調和させられるかだ。「我々は自分を評価する物差しを使って他人を評価しないことがあまりにも多い。」という名言がある。自分を受け入れた上で、他人も受け入れられるか。ということである。人間は自分のことで精一杯で、他人のことに気が向いていないのではないか。あるいは、自分を受けとめきれていないのに、他人を受けとめようとしていないか。自分を受けとめきった上で他人を受け入れようとすべきである。

   講評   nara

 「自分って何なのだろう?」それを明らかにしていくために、いくつかの段階と方法があるのだろうな。他者との関わりの中で、差異や共通点を見つけ出していくというのも、一つの方法だし、他者との関わりをたって、内省していくこともまた一つの方法だね。
 他者との関わりの中で差異を発見していく場合、その前段階として大きな一体感を味わっている必要がありそうだ。そうでないと、「違う!」ということに対する驚きもありえないからね。また、一人内省する(ゆんちゃんは「孤独を学ぶ」と表現しているね)場合には、その前段階として他者とおおいに関わっていなければ、その内省は独善的なものになりやすい。このような段階・方法を間違えてしまうと、引用した名言とは反対の状況に陥ってしまいかねないね。
 まとめの段落がいいね。「大事なことは……」以降が特にいい。自分を受け止めきるというのは、言い方を換えれば「アイディンティティを確立している」とも表現できそうだね。

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