低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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小さいもの にわとり
ミミズがある生態系に生存することで「自然の経済」にどんなかかわりをもつか、それが、イギリスの生んだ偉大な生物学者チャールズ・ダーウィン(一八〇九〜一八八二)のミミズに関する着眼点だった。ダーウィンのミミズの研究にも触れた有吉佐和子の小説『複合汚染』は、一九七四年新聞に発表され、多くの人々の関心をひいたが、その中に、人間が自然をひどく傷めつけた結果、自分たちの命にひどい影響が及んでいる現状が詳しく書かれている。農村で多くの人々が、ロにしている「土が死んだ」ということ、それは「ミミズが死んだ」ということだというのは、実に深刻な事態である。自然の中でのミミズの役割を科学的に認識することによって、人間としてのつき合い方を選べるものなのだと、思わず自分の日常生活をふり返らされたものである。自然界にある小さなものの役割を見直すことが大事である。
第1の理由に、人間がまだその役割を知らないだけだということがあるからだ。例えば蚯蚓の話。小学校低学年の時、チューリップを植える為、花壇を耕して(?)いたら、蚯蚓が出た。(2匹)女子全員きゃーきゃー騒ぎ始めてしまい、耕しは一時休止になってしまった。そこで私は1匹、棒に絡ませて校庭に投げた。(女子の激しい希望により……)その後2匹の蚯蚓は、男子たちの手により死亡。蚯蚓の死体をみて、まるで粘土みたいだな、と思っていたのだが、今になって、尊い命を奪ってしまったな、土を殺してしまったなと後悔。男子が蚯蚓を殺してしまった理由は、蚯蚓の役目を知らなかったからだろう。「蚯蚓がいる土はいい土だ」というではないか。その後花壇からは、蚯蚓は1匹も発見されていない。密かにいるのかもしれないが、もしかしたら本当に土を殺してしまったのでは……?と考える。
第2の理由に、人間が自分たちのことだけを考えて行動してきたから、地球環境が破壊されてきたからだ。インターネットで地球温暖化のデータを調べてみると、『地球の表面温度は、この100年間で摂氏およそ0.4〜0.8度上昇した』ということがわかった。このデータを見て、蚯蚓のような小さいものに関心をもたなかった人間たちが齎した悲しい結果である。もっと関心をもっていれば、少なからず温暖化、温暖化とこんなに騒がなかっただろう。人間だけでなく、それ以外の生物もいなければ、この地球は成り立たない。人間は自分たちの生活が楽になるようにしたいが為に、他の生物を殺しているのだ。森林を壊すと動物が住めない。世界の崩壊は人間の手によって引き起こされたものなのだから、人間の手でしか崩壊は防げない。
確かに、物事を大きくとらえることも大切だ。しかし、小さいものが果たす役割を認めていくことが大切なのだ。「雑草はまだその美点を発見されていない植物だ」という名言があるように、小さいものに目を向けることが大事なのではないか。
講評 jun
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