低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ふたつ 三毛猫みー
人は他人に出会うと、必ず心の中に警戒、不安、恐れなどの気持ちが、多少なりとも生まれるものだ。あいさつにはこの緊張をほぐし和らげ、次の交流段階に支障なくつないでゆくきっかけ糸口を与える役目がある。また、お天気の話や当り障りのない短い会話を交わすことにも、これがお互いの警戒心や敵意を弱め反対に安心感を高める効用がある。交話機能というのは、このようにことばがもつ、人と人の気持ちを結びつける潤滑油のような働きのことである。
確かに、ことばのもつ潤滑油のような役割は人との相互関係において重要である(意見)。例えば、朝のあいさつ。わたしが気持ちよく朝食を食べているときのこと。起き出してきた弟は完全に覚醒していないのか機嫌が悪いのか、わたしの「おはよう」の一言に無反応だ。ムムッ。その後も無言でご飯を食べて我関せずの状態だ。さすがにこれは気分が悪い。わたしの朝のご機嫌もここでグググッと下がってしまう。こんなちょっとしたコミュニケーションがとれないだけで人間はすぐにすれ違いがちになるものなのだ。
しかし、ことばの持つ役割はこれだけではない。人間関係が円滑に進むのはよいことだが、大切なことはきちんと口に出さないと伝わらない物だ。アンデルセン童話の「裸の王様」という話は有名だ。二人の詐欺師が正しい者には素晴らしく見え、悪い者には何も見えない服という嘘で王様をはじめ国民をだますのだが、もちろんそんな服はないので誰にも見えない。けれども、みんな自分が悪人と思われたくはないので何も言わず、素晴らしいとその服をほめるのだ。しかし、その服を着たはずの王様を見て小さな子供が「裸の王様だ!」と叫ぶのだ。表面上のあいさつだけでなく、事実、本心をいわないと他の人にはその人が何を考えているのか分からないこともあるのだ。
確かに、ことばには潤滑油ようなの働きも、事実や本心のような中身を伝える働きもある。しかし、大切のことはこの二つの働きがバラバラに存在するのではなく、上手に調和することである。「トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである」という言葉もあるように、二つの働きの特性を生かし、使い分けることが重要なのだ。
講評 jun
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