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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   名前と文化   はなこ

 日本のふつうの書きことばでは、漢字の地位が絶対的に高く、それに比べてカタカナは、代用的な役割しか引き受けていない。前者は高度に抽象的な概念の表記に不可欠とされるのに対し、後者はガチャガチャ、ドタバ夕など、できごとそのままをむき出しにした、いわば幼稚園文字である。文化の交流が一方的に統制されたものから相互的で直接的なものへと移ると、ことばは紙から抜け出て音になる。韓国の人気歌手チョー・ヨンピルを愛するファンが、どうして彼をその紙のことばの趙容弼に従って、チョー・ヨーヒツなどと呼びかえる気になれるだろうか。ヨーヒツは決してヨンピルではないのである。福岡に居る韓国人牧師さんが自分の呼び名のことで、もう十年来こういう訴えを続けているのに、日本の裁判所はわかろうとしない。つまり、ことばには愛があるということを理解しないのである。僕は言葉に愛を込められるような人間になりたい。
 そのための第一の方法は、相手の名前などをしっかりと覚えておくことだ。授業中あてられるときも、出席番号などで呼ばれるよりも、名前で呼ばれるほうがうれしい。サッカーなどでも、 試 合 をするとき相手のチームの人に背番号で呼ばれるよりも、名前で呼ばれるほうが自分は相手のチームの人たちからマークを受けているようでうれしいと思う。
 第二の方法は、国同士の間でも相手の文化や言語を尊重することだ。僕もこの前外国人に場所を聞かれ、教えてあげた後に日本語で「アリガトウゴザイマス」と言われうれしかった。サッカーの中田英寿選手もイタリアで成功することが出来たのはサッカーの技術ももちろんあるが、中学のときくらいからイタリア語を勉強していて、話すことができたからだと思う。フランスの将軍ナポレオンも、周りの人々に気に入られようと思って一緒にみんなの先頭にたって戦ったらしい。しかし、だんだんと自分の地位が大きくなってくると、自分に対して有利な条約などを結ぶようになり、結局没落してしまった。このナポレオンの話は文化を尊重することの大切さの良い例だと思う。最初の頃は庶民と同じように戦ったため周りからもとても信用されていた。しかしだんだんと生意気になってきたために信用していた人々が離れていってしまった。(伝記)昔満州国などでひどい虐殺などを起こしてしまった日本もその辺の地域からの評判は非常に悪い。
 確かに番号などをつけなければ間に合わないような受験番号などでは番号を使うのも仕方がないと思う。しかし、「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という名言があるようにそれぞれの名前や文化にはそれぞれに存在理由があるので、それを大切に扱うことが必要だと思う。

   講評   nara

以前に読んだ外食産業の接客術について書かれた本で「ネームコールの実践の重要性」という項目があったよ。「お客様と呼ぶよりも名前を聞いて○○様と呼べるようにしよう。」ということね。名前を呼ばれることで、顧客側の心理をひきつける効果があると述べられているのだけれど、こういうことからも、名前に対する人の思いの大きさがわかるね。
 名前というものは、第2理由に挙げた「文化や言語」を最もよく示している具体的素材だと考えることができそうだね。どういう発音をし、どういう音を好み、どういうイメージをよきものとするか……そういうものが端的に示されているものが、人名なのかもね。だから、同じ国の者同士も、そして国や民族が違っても、尊重すべきものと言える。歴史の事実の中でも、そして、現代社会でも、「名を奪う」ということがどれだけの重みがあるのかを考えていかなければならないね。
 名を呼ばず番号で、というのはおもしろい指摘だ。敢えて、人間性の部分を見ないようにするための、「効果的な」方法だね。例えば、牢獄などでは名前を呼ばないけれど、それも人間性を否定するという意図と関係あるのだろうなぁ。
 忙しい中、先取りで仕上げて進級テスト合格。がんばったね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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